STEREO CLUB TOKYO

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デルタステレオビュアー

 1950年代に販売されていた数々のステレオカメラのすばらしいところは、それぞれのメーカーがカメラとセットでビュアーを販売していたというところ。リアリストにはリアリストのブランドの、デルタステレオにはデルタステレオブランドのビュアーが販売されていた。米国を中心にヒットしたリアリストフォーマットのカメラたちには、概ね同ブランドのステレオビュアーが存在する。
 一方、ヨーロッパを中心に販売されたステレオカメラはリアリストサイズより横幅が広い画面サイズを持つ。ヨーロピアンフォーマットとも呼ばれるこの種のカメラは、フランスのベラスコープF40、旧東ドイツのベルプラスカ、旧ソビエト連邦のフェドステレオが代表的。これらのカメラにはどうも専用のビュアーが用意されていなかったようなのだ。文献などの情報も少なく、ebayの出品物をチェツクしてもこれらのビュアーは発見できない。辛うじてステレオプロジェクター(スライド投影機)はベルプラスカ、フェドに用意されていたようだが。
 リアリストフォーマットに比べ、ヨーロピアンフォーマットのカメラが少ない、つまりはあまり売れなかったのは、やはりビュアーがあったかどうかというところの影響が大きいのではないかと僕は考えている。深読みしすぎですかね。
 さて、デルタステレオのカメラ機構は、以前に紹介したとおり廉価版といった感じ。とても高級という感じではないが、アルミの質感と裏蓋に貼った合皮の質感、インディゴカラーでまとめた姿はなかなか愛らしい。デルタステレオのビュアーも同じようにアルミの質感を活かし、カメラと同じカラーで統一されていてこちらも愛らしい。筐体の後ろ面にはバックライト点灯のスイッチが鎮座している。
 単1電池を2本使って豆電球を点すバックライトの方式は他のビュアーと同じ機構だ。感心するのはフォーカス調整と目幅調整ができ、それぞれのダイヤルが並んで配されたデザイン。でっぱりが無く、なかなか秀逸。レンズは単玉のようだが収差も気にならず、適度な倍率と視野を提供してくれる。この時代の豆電球バックライト、画面が赤っぽくなるのでちょっと手を加えてみた。次回紹介。

投稿者 J_Sekiguchi : 2016年05月19日 10:00


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