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続・ベルプラスカのひみつ②
トップカバーを外すと、とてもシンプルな構造が見えます。シヤッター機構、巻き上げ制御などはここからは見えないのでシンプルに見えるのです。今回はファインダーの清掃だけなのでこれ以上の分解はしません。このカメラは距離計もありませんので、見えるところを少々触ったところで何かが壊れることはありません。
トップカバーのファインダー位置にある、対物側とアイピース側のガラスは保護用の平面ガラスです。光学系の本体はボディの上にシーソーのように載っています。シーソーになっているのは、パララックス補正の機構があるためです。光学系ユニットはそっとつまめば取り外せます。なかなか良くできた作りです。
ファインダーの曇りはここのレンズを拭けばいいのですが、金枠からレンズを外すのは困難です。金枠の爪でレンズを保持しているためです。爪を緩めるのは破損の原因になるので止めておいて、金枠越しにレンズを清掃します。なかなかやりにくいので、ここは必殺・実体顕微鏡を使って拭き残しがないようにしました。きれいになったかアイピースを覗いてみましょう。被写体を切り取る大事な窓です。妥協はしません。
満足ゆく清掃ができたら、ユニットをシーソーの上に載せ、トップカバーを閉じます。ファインダーの前後にある金属板は保護ガラスを保持するためにありますが、あらかじめ両面テープを使って保護ガラスをトップカバーの内側に貼り付けておけば面倒がありません。ファインダー両脇にある、開口部をふさぐ金属板もお忘れなく。
割合簡単に作業を終わらせることができました。内部の機構も見ることができ、よくできた作りを一度見ておくと実際に使う場面で安心感があります。では、カールツアイスの描写を楽しみましょう。
実体顕微鏡は便利です。
投稿者 J_Sekiguchi : 2014年02月27日 10:00
続・ベルプラスカのひみつ①
稼働率の低い機体を何とかしようシリーズ。さて、今回もベルプラスカです。ベルプラスカはドイツが東西に分かれていた時代、東ドイツのベルカ社で製造されたステレオカメラで、数少ないヨーロピアンフォーマットカメラのひとつ。レンズはツアイスが採用されていて人気があります。
中古市場で割合高値で取引されていますが、ebayで粘れば格安品を手に入れることもできます。この機体はややくたびれた感じがあるものの、機械の故障はありませんでした。でもなぜか、クリーニングしてもしばらくするとファインダーが曇ります。前のオーナーが揮発性の潤滑油を大量に使っていたのでしょうか。臭いもしないのに不思議。
ファインダーが曇ったままだと稼働率が下がります。自分でメンテナンスをしましょう。トップカバーの取り外しは比較的簡単です。見えているネジを全部外します。ファインダーの左右にあるつまみもネジです。すり割の溝がないので、ゴムシートなどで挟み、変形しないように注意しながら回します。ここまで外しても、もう一つ関門があります。
カウンターダイヤルのノブを外さないと、これがじゃまをしてカバーが外れません。ノブを左右のどちらに回してもカウンターダイヤルが回るだけでノブは外せません。さて、どうしましょう。答えは、ファインダーの右のつまみを外したところの穴に細いドライバーを差し込みます。カウンターダイヤルの下にドライバーを当て、空転を止めるようにしてノブを外します。中が見えないので初めは不安ですが、少々で壊れることはありません。
さて、トップカバーを外すとドイツの質実剛健な作りがあらわになります。今回はファインダー内側のクリーニングだけに作業を限定します。一休みして次に進みましょう。
カウンターダイヤルを固定するイメージはこんなふう
投稿者 J_Sekiguchi : 2014年02月20日 10:00
Purple flower
自作のマクロカメラで撮影しています。花の名前は・・・わからない。
Original stereo camera / Kodak EPP
クリックすると大きな画像が出ます。交差法でご覧下さい。
名前がわかりました。「ユーパトリウム・コエレスティヌム」だってさ。
投稿者 J_Sekiguchi : 2014年02月13日 10:00
Malus halliana
花海棠(はなかいどう)。リンゴの花に似ていると思ったら、植物学的には同じ仲間らしい。
Original stereo camera / Fujifilm Fortia
クリックすると大きな画像が出ます。交差法でご覧下さい。
投稿者 J_Sekiguchi : 2014年02月06日 10:00