STEREO CLUB TOKYO

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続・ステレオ10のひみつ①

 かねてより懸案になっていたウオーレンサック・ステレオ10の分解整備を実施しました。ステレオ10は数あるステレオカメラの中でもF2.7の明るいレンズと、1/300sの高速シャッターを兼ね備え、キングofステレオカメラとも呼ばれる高級機です。僕はこの呼称、中古市場で高額取引されているゆえと考え、疑問に思っていました。
 高級機の中身は如何に。分解すればどんな思想で設計されていたのか、どのような経営戦略で製造されていたのかを探ることができます。ビューファインダーの清掃のつもりが大分解になった今回、キングのひみつを探りましょう。
 今回クランケとなるのは、数年前にebayで手に入れた格安の機体です。シャッターの動作に問題は無いものの、レンズ周りやフロントカバーのメッキがひどく腐食し、革張りもボロボロになっていました。前のオーナーが分解したときにネジの頭をつぶした形跡もあります。ビューファインダー、レンジファインダーも薄く曇ってよく見えない。
 さて、分解の手順はそれほど複雑ではありません。巻き上げ、巻き戻しのノブを外し、トップカバーを止めるネジを2本外します。巻き上げ軸のE型止め輪も外します。気をつけねばならないのは距離計ダイヤルの取り外し。ここを外すと、ピント調節機構とダイヤルの関係が狂います。とはいっても後述の通り、どうしようもないところもあるのですが。
 レンジファインダーの面倒な調整をしたくないならば、距離計ダイヤルを時計回りいっぱい(最も近距離の位置)に回し、ダイヤルを外しましょう(無限遠位置では取り外しのネジが回せません)。組立もその位置で。ただし、フィルムレールを触っただけで位置が変わってしまいます。はじめにトラップが仕掛けてあるのです。無用な分解は禁物です。
 そんなトラップを無視し、まずはトップカバーを外したところで休憩しましょう。はてさて、どうなることやら。

キング①.jpg
まねしちゃダメ。ゼッタイ。

投稿者 J_Sekiguchi : 2013年09月19日 10:00


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