軽量化
ステレオ・リアリストはとても重い。そんな気がしてきた。というのも、最近のカメラはとても軽いのだ。カメラがデジタル化したことで、可動部が少なくなり、部品の剛性がそれほど必要ではなくなってきたのだろうか。今も昔もアルミダイキャストでボディを作っているとしても、今のカメラは構造も部材の厚さも昔と大きく違っているはずだ。
昔のカメラは剛性を確保しながら小さく、軽くすることに大きな努力が払われてきた。ボディ単体では驚くほど軽量化がされている。ガラスブロックから作られるレンズや、一眼レフのペンタプリズムだけは大幅な軽量化ができないから、システム全体を軽量化するために機械部分の軽量化に大きな努力が注がれてきたわけだ。
そういう視点でリアリストの約770グラム(*)という数値を見ると重い。大きなレンズが付いているわけではないから軽くできるはずである。ダイキャストで作られている部品も、もっと肉を薄くして軽くできるはずだ。
リアリストを分解し、強度や機能に問題がない範囲で部品を削ったらどれぐらい軽くできるだろう。もちろん、見た目が悪くならないよう内部に手を加えるのである。ボール盤を使い、貫通しない穴をあけてゆく。ボディの内側、トップカバー、レンズボードの内側など。歯車やアームも穴をあけて軽量化ができるかもしれない。軸はヤスリを使ってくぼみを付け、軽く。二次大戦の零戦開発の時のように、リベットの頭を削って1グラムでも軽くという精神だ。リアリストのネジの頭を削って0.1グラムでも軽くしてみるか。レンガと呼ばれたリアリストを軽くするのだ。
そんなことを考えながら、この面倒な作業はいつか時間をもてあます時が来たらやってみようかと思っている。軽いリアリスト。果たして、どれほどの存在感があるのか。あるいは、存在感が失われるのか。
(*)世の中の各種資料には重さの値が記されていますが、
改めて実物を計量しました。ただしバラバラの状態で。
ボディ本体 291g
レンズ、ボード 150g
レンズカバー他 31g
トップカバー 78g
フィルムレール 50g
裏蓋 60g
圧板 11g
他部品類 102g
合計 773g
(なんか部品が足らない気がしてきた・・・)
投稿者 J_Sekiguchi : 2013年03月07日 10:00
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