STEREO CLUB TOKYO

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もう一つのめがね

 実はレデュフォーカスを2個持っている。一つはebayでクリスマスの時期に買った。当時はebayでもなかなか出物がない珍しいモノだったが、クリスマス時期にはやはりこういう珍しいものがいくつも並ぶ。
 こういうものは一つあれば十分なのだが、うっかりリアリストを首からぶら下げたまま、有楽町の電気ビルにあるお店に立寄ってしまった。いつもは一通り眺めて満足するのだが、もう一つのそいつがウインドウに鎮座している。ほほう、珍しい。でいつもは終わるのだが、値札を見たのがいけない。安すぎるのだ。
 前の一つがクリスマス価格だったので、もう一つ安く買ったら中和されて・・・なんて考えるのが沼にどっぷり嵌った者の特有の症状なのだ。安い理由はレンズに傷が多いという。でもこのレンズはコーティングが弱く、ここのダメージが傷に見えることがある。手に取らせてもらって案の定。写りには影響がなさそうだ。
 それでも何とか堪えるのがいつもなのだが、首に下げているリアリストに付けさせてもらった。どうやらベースプレートに歪みがあって、取り付けがしっくりこない。じゃあいいや、というのが普通の人。これは直してやらねばならんと思うのが病気の人。結局リアリストに取り付けたまま、外さずに代金を支払い、お持ち帰りとなった。
 レデュフォーカスのレンズユニットをベースプレートから外すのは比較的簡単。だけど気をつけねばならないのは、左右のどちらかはベースに固定されず、ガタが残るようにネジに工夫がされている。ガタがないと、カメラに取り付けるときの僅かな寸法差を逃がすことができないからだ。マネするときはここに気をつけてね。ベースプレートの矯正は簡単。ばっちり組み立て、あとは試写を待つのみ。しばらくは眺めて楽しむことにした。


投稿者 J_Sekiguchi : 2012年12月27日 10:00

改造めがね

 レデュフォーカスのファインダーをバラバラにしたので、改良の工夫をしてみようと思う。引き出しを漁るとニコンFM・FEシリーズ用の視度補正レンズが出てきた。丸型、マイナス2D。僕はニコンのカメラを持っていないから、これはこういった工作のために買っておいたものだ。ニコンは旧型機用のアクセサリーを継続販売している。視度範囲もプラスからマイナスまで、しかも度数も強いものまで幅広く用意されていて使いやすい。
 この補正レンズをファインダーアイピースの後にあてがって覗くと、ぼけて見えていた景色が一変する。だが、取り付ける方法がない。なんとかカッコいい方法で視度補正レンズを組み込めないだろうか。もしかして、ファインダーの中に補正レンズを入れたらいいかもしれない。ファインダーをバラバラにしたので実験だ。
 ファインダー鏡筒の中に丸型の視度補正レンズを金枠ごと滑り込ませると、すんなり収まるではないか。仮組みして覗くと、金枠で視野が狭くなることもない。でもレンズ越しの風景はいっそうぼやけてしまった。やっぱり、補正レンズはアイピースの後に置かないとだめ。光学の知識なしでは思いつきもうまく行かない。
 結局、ここは簡単に済ませてしまおうという結論となった。正規の向きとは反対になるが、補正レンズをファインダー金枠に接着剤でくっつけた。もちろん、なるべくカッコよくなるようにしたよ。接着剤がはみ出しているようではいけない。ぱっと見、もとからこういう形だったと思わせるような仕上がりを目指した。
 とりあえず一件落着なんだけど、ファインダーの内部に補正レンズを入れることをまだ考えている。今回は凹レンズだったけど、凸レンズだったらどうだろう。どうせ失敗するのだろうけど、試してみたいものである。

手前が改造品、奥がオリジナル。なんで2個あるかはまた次の機会に。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年12月20日 10:00

ストラップぐるぐる

 ステレオリアリストのオリジナルストラップがあるかどうかは知らない。昔のカメラはストラップ金具が特殊だったりする。だけどリアリストの金具は比較的素直なものが付いているから、現代のカメラにも使われている普通のストラップのようなものが使われていたんじゃないかな。もちろん、素材は本革で。
 僕は、新橋のウツキカメラで売っていた本革のストラップを使っている。長さの調整も簡単にでき、シンプルな作りで古いカメラによくマッチした。使い始めの頃は硬い感じもしたけど、使ううちに柔らかくなり、適度に古びてくれるのでこれがまたいい。同じデザインの茶と黒を今でも愛用している。
 さて、モノクロのポジ現像ができるようになってから、使うカメラの台数が多くなった。あのフィルムも、このフィルムも今使いたいとなると、休眠中のカメラを稼動させなければならない。調子の悪くなっているカメラを久しぶりに点検し、楽しみながら分解調整する。でも、困ったことにストラップが足りないのだ。
 ウツキカメラにあったものがもう数本欲しい、と思うのだけど。でもウツキカメラはもう存在しないのだ。黒のストラップを買った新橋店も、茶のストラップを買った銀座店ももうないのである。寂しいね。
 こういうとき、じゃあ自分で作ろうと思うのである。でも、本革素材は結構なお値段がする。そこでebayね。検索すると、香港の業者が幅10mmの本革紐を売っている。送料込みでも、国内ではこうは安く買えまい。しかもストラップにちょうどいい感じ。しかし長さが20mとあるではないか。何かの間違いと思ったが、届いた荷は確かに20mはあろうというシロモノ。苦笑しながら、何台分のストラップができるかな、などとデザイン考案に耽っている。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年12月13日 10:00

レデュフォーカス再び

 ステレオリアリストのレンズ焦点距離は35mm。これを25mmの広角にするアタッチメントがシュタインハイル社製レデュフォーカスだ。常々、変な名前だと思っているのだが、“数を減ずる”という動詞“reduce”から来ているのだろう。つまり、焦点距離を減ずるものですよ、と。それより、画角を拡大します、という意味が良かったんじゃないかと思う。でも、「なんとかエクステンダー」という名前もどうだか、という感じではあるが。
 取り付け方法は前に紹介したのだが、カメラのビューファインダーを塞いでしまうことと、画角を変えねばならないことから、専用のビューファインダーがぶら下がるように設えてある。結構じゃまな位置にあるのが玉にキズ。
 レデュフォーカスを取り付けたリアリストは、ちょっとそこいらのカメラにはないような、クラシカルだけど超高性能な機械といったオーラを強力に放つ。その威圧感はなかなかのものである。
 見かけはともかくとして、持ちづらい形にトランスフォームするので使いづらい。もう一つの不便がぶら下がっているビューファインダー。カメラの底部にあるから置き場所に困る。しかもよく見えないのだ。
 このビューファインダー、友達から眼鏡を借りた風景が見える。焦点が合わなくて、目を凝らしていると頭が痛くなりそうなあの感じ。自分の目が悪いのか、ファインダーが壊れているのか。ファインダーの構造をよく見ても、部品が足りないふうではない。でも覗くと、レンズが一枚入れ忘れられている感じ。
 それなら、補正用のレンズを入れてみたらどうだろう。そんなことを考えてみたのだが、使えそうなレンズが手元にない。使えそうなものが手に入ったら試してみようと思うのだが、なかなかできないでいる。

 

ファインダーを取り外したレデュフォーカス本体と、バラバラになったファインダー

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年12月06日 10:00