⑦空港での椿事
フィルム派にとって、デジタルカメラっていいなと心から思う場面が空港での検査である。フィルムはX線でも感光するから、X線の照射は避けたい。だが空港での荷物検査は厳しい。スーツケースなど、カーゴエリアに行くものは爆発物の侵入を防ぐため、X線で徹底的に調べられるらしい。僕も死にたくはないので徹底的にやって欲しいのだが、強力なX線が使われ、フィルムが感光してしまうという。フィルムは必ず、手荷物で機内に持ち込まねばならない。
そんなわけで、海外旅行にたくさんのフィルムを持ってゆくとき、全部手荷物にしなければならないところが煩わしい。手荷物検査場のX線は、普通のフィルムなら感光しない程弱いので悪影響は無いという。それでも、乗り継ぎのたびに何度も検査を通すのは気持ちの良いものではない。影響の有無は現像しなけりゃ判らないのだから。
万全を期して、フィルムは鉛入りのシールドバッグに入れることにする。20本越えのフィルムは嵩張るので、全て箱とプラケースを外し、ビニールのチャック付小袋に入れ替えた。これを弁当箱程度のプラスチックのボックスに入れ、さらにシールドバックでくるむ。これをさらに黒いナイロン袋に入れた。この黒い物体、怪しいことこの上ない。
いよいよ空港の手荷物検査で中身が見えない黒い箱が登場。爆発物のような姿。チェックされると構えたが、怪しまれたのはカメラの方だった。ドイツを出る手荷物検査で、不思議な物体・リアリストのせいで別室ご案内となった。
厳つい係官が、これは何だ?と。ステレオカメラだと説明すると、フィルムか?。当たり前じゃないか、1955年のカメラだ、と答えると、呆れた表情でその3D写真はないのか?。サンプルで持ってきたステレオ写真はスーツケースの中だ。まあいいや、と放免となった。次に来るときには立体写真を堪能いただこう。お楽しみに。(ドイツの旅・おわり)
コックピットのドアが開放されてたのでパチリw
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年09月06日 10:00
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