⑤湖のさかな
さて、ドイツに来てからというもの、ずうっと天気が思わしくない上に、いろいろと戦史に関わる見学を続けてきたのでちょっと疲れ気味。命の重さを考えるというのはとても大切なことであるが、気力もけっこう要る。
ポツダム周辺はたくさんの湖が広がり、豊かな自然に囲まれた美しい場所がたくさんある。貴族の別荘などが数多く建てられたという。そんな場所の、山小屋風のレストランで昼食をとる。
レストランはログハウス風の建物で、たくさんの花で飾られている。一歩中に入ると、このあたりの動物だろう。剥製があちこちに飾られている。この辺りは猟場としても使われてきたのだろう。
剥製を眺めながら肉料理を食べるというのも乙である、という向きもあろうが、僕はやっぱりダメである。レストランの目の前には湖と深い森が広がっている。湖があるなら魚料理があるだろう、ということで、メニューを凝視。
はて、湖の魚といえば何だろう。日本ならうなぎの蒲焼などありそうなものだが、海外でうなぎ料理は旨くなさそう。という先入観が働く。うなぎ以外・・・と探しながらも、無性に蒲焼が食べたくなってくる。我慢、我慢。
魚料理の欄にコッドフィッシュの何とかという文字があり、うなぎではないことを確認して注文する。コッドって何だっけ?たしか、タラの仲間・・・。ここで海の魚を食すというのは果たして・・・。微かな不安がよぎる。
しばらくして、不安は杞憂に終わった。注文の品は当たりであった。ドイツビールに良く合う上品なお味。追加のビールをもう一杯。昼間からビールを飲むと怒られそうであるが、この国では飲むのが当たり前だという。万歳。
しかし相変わらず天気が冴えないのだが。雨粒が静かな湖面に作る、まあるい波紋を眺めてのんびり。これもよし。(つづく)
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年08月23日 10:00
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