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②平和のためのモニュメント
ベルリン中央駅の西、かつての西ベルリンの商業中心地に行く。ここで、朽ち果てたような大きな建物がまず目に入る。カイザー・ヴィルムヘルム教会である。他国の教会で見た美しい尖塔はなく、瓦礫のごとく崩れた姿で建っている。
この教会は19世紀に建造され、その当時は美しい姿であったが、かのベルリン大空襲の際に無残にも破壊されたのだ。現在、修復は崩壊が進まない程度に留めているという。戦争の悲惨さを後世に伝えるための記念碑だ。
教会前の大通りに面して、家電量販店やら、ショッピングモールなどで賑わっている。だが、その雰囲気は日本の各都市とはずいぶんと趣が違うようにも感じる。若者達が集ってはいるが、派手さというものはあまりない。
大通りの真ん中に広い歩道があり、小さな公園のようである。この通りを散歩しながら、いくつかのモニュメントを見て回る。来た道を振り返ると、先のカイザー・ヴィルムヘルム教会が遠くに見える。
あいにく、ドイツに着いてからずっと天気が良くない。今にも降りだしそうな天気だ。いい写真が撮れるかどうかに運があるとすれば、それはまず天気であろう。晴れか曇りかで全く雰囲気が変わってしまう。
もちろん、天気が良ければいい写真になるというわけではない。でも、天気が悪いと撮影気分が盛り上がらない。光の状態がどうこうというより先に、自分の気持が作画に大きく影響すると思う。
だからといって、天気が変わるまで待つ時間の余裕が無い。余裕があれば、いい雰囲気の雲が流れてくるまで待ってみるとか、日差しの当たり具合がいい具合になるまで待つとかするのだが。
大戦の面影があちこちに残る街。それを撮るには、愁いのある空のほうが合っているのかもしれない。(つづく)
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年08月02日 10:00
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