プラネタリウム
西東京市に大きな電波塔がある。東京タワーとかスカイツリーとは異なり、鉄の骨組みだけの構造だ。あやしい科学のにおいがするようなこの塔は、鉄塔マニアからしたらたまらないものがあるのではないか。遠くからも見えるこの電波塔のすぐ近くには多摩六都科学館があり、世界最大級のプラネタリウムが併設されている。
東京に引っ越してから、このプラネタリウムを何度か観覧させてもらっている。昔のように解説員が機械を操作しながら説明してくれる。全天周映画も上映プログラムに組み込まれており、なかなか面白かった。
「面白かった」とういのは、リニューアルオープンのためプラネタリウムと全天周映画がいったん幕を下ろしたのだ。その最後の上映の日に僕は立ち会うことができたのだが。新しく生まれ変わるのはいいことなんだけど、哀愁が漂うのである。なんでかって?それはやはり、デジタル化に伴うフィルムの衰退と無関係ではなかったのだ。
ここのドームは世界的にも大きな部類に入る。そこに全天周映画を映していたのがウルトラ70という70mmフィルム映写機だ。この映写機は観客席外の部屋の中にあり、ガラス張りで中の様子を見ることができた。超幅広の、超長尺といった感じのフィルムが巨大な水平ターンテーブルに巻き取られてゆく。これはすごい迫力。
超大画面の映画は観客の視野角を超えて投影され、画面の中に自分がいるという感覚が得られる。かつて、大画面投影には面積の大きい70mmフィルムを使うことが多かった。だが、世界的にデジタルに置き換えられている。
もうじき、プラネタリウムも全天周映写機も新しくなってオープンするという。リニューアルオープンは7月7日の七夕の日。最新のデジタル技術は僕たちの夢を広げてくれるだろう。さて、星空を眺めに出かけてみますか。
まいど、低照度下で撮影したフィルムを取り込むと画面がざらつきます。ご勘弁。
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年06月21日 10:00
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