RSDを使ってみた
普通に現像をしただけでポジ画像が得られるフィルムがある。ローライスライドダイレクトである。あまり知られていないフィルムで、国内では販売されていない。これを海外からの通販で10本購入した。このテスト報告である。
まず、このフィルムの感度だが、ISO6相当だという。これがけっこう低い。リアリストに装てんした場合、日中晴天の屋外でも1/100sec、絞り4になる。だが、これでも不十分で、さらに3段から4段プラスで露光しなければならないという情報もある。もし4段プラスにしなければならないとなると1/10sec、絞り解放F2.8だ。
第1回目のテストは、日中屋外で段階露出をしたフィルムをスーパープロドールで現像した。感度が低いため、増感したらどうなるかという実験。19℃9分の現像、後は普通に定着。結果は、一面薄いグレーの画面ばかりで、一部にわずかに像が出ているのみ。これでは使えない。現像時間を長くしても良い結果は得られにくいようである。
第2回目のテストは、同様に日中屋外で撮影したフィルムをスーパープロドールで20.5℃5分の処理をした。今度は像が出ている。段階露出をした中で、画像が最も濃く出ているのはなんと1/2sec絞り解放2.8のもの。日中屋外、晴天の下でも三脚とレリーズを使わないと撮影ができないというわけである。屋内での使用はムリ。
画像が出ているとはいえ、暗部の最大濃度が低い。スライド鑑賞するにはちょっと難しい濃さである。濃度を上げるには別の現像液の方がいいのだろうか。この辺りの薬品に関するテクニカルデータが得られていないので何とも言えないが、実用とするにはどうにも苦労の多そうなフィルムである。自分で薬品を調合して現像実験をするしかないか。
やれやれ、あと8本残っているフィルムでどんな実験をしてみるか。いい結果が出たらまたお伝えしようと思う。
▲よさそうに見えますけどぜんぜんダメです。
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年05月03日 10:00
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