STEREO CLUB TOKYO

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解像度

 骨董市とか、フリーマーケット。ガラクタばっかり、ギリギリごみじゃないかという場合もあるけど、こういうものを見てまわるのも楽しい。たまに掘り出し物もあると聞く。たとえば、壊れたライツミノルタを5百円で買ってきて、電池を入れたら動いた、とか。こんな話を聞くと、お宝があるんじゃないかと期待してしまう。
 でも、実際にはカメラ関係はありふれたジャンクばかり。珍しいものを安く手に入れるチャンスは、砂丘の中からゴマの一粒を探すようなものだ。そんなガラクタの中、学校で使われていたと思われる埃まみれの顕微鏡があった。
 箱はぼろぼろ、埃だらけ。それでもパーツは全部揃っていて、手を入れれば十分使えそう。オリンパスの顕微鏡を千円で買ってきた。珍しいものではないし、汚れていたから5百円でも良かったかもしれない。
 持ち帰ってから箱は捨て、本体とレンズをクリーニングしたら十分使えるものになった。顕微鏡の世界というのも面白い。小学生の時、小さな顕微鏡でめだかの水槽に棲む微生物たちを夢中で観察した日々を思い出す。
 ここでふと、フィルムを観察したら面白いのではないかと思いつく。フィルムをセットし、フォーカスを合わすと粒子が良く見える。倍率をやや下げると、砂で描いたようなザラザラな格子が見えてきた。ビルの窓だ。元の画像を確認して驚いた。そのビルは、遠景の中に埋もれていてかなり小さい。ステレオビュアーで拡大した程度では、そこにビルがあるのかさえわからない。なのに、フィルムには窓の形がちゃんと記録されているのだ。なんという解像度だろう。
 リアリストの解像度は素晴らしい、と言いたいのではない。引き伸ばしに使わず、ビュアーで見るだけならレンズの分解能はそれほど必要ではない。それより、発色とかコントラスト、描写のバランスの方が重要だ、と気づいた。

顕微鏡.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年04月05日 10:00


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