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⑩フランス土産あれこれ
明日の帰国を目前にして、今日は土産物でも買いにパリの繁華街に出てみよう。そう思ってシャンゼリゼ大通りを歩く。土産にはパリでしか買えないようなものがいい。だからといって観光土産屋に行っても、あるのは冴えないものばかり。
気分を変えて裏通りに出る。小さな通りに、決して華やかではないが小奇麗な陶器屋を見つけた。ウインドウにはハンガリーの銘窯、ヘレンドの作が並んでいる。ここならたしかな品物がありそうだ。そう踏んで中に入る。
出迎えてくれた女主人は、見慣れぬ東洋人を冷かしと思ったのだろう。だが、ヘレンドのいい作品があるね、と言うと嬉しそうに応えてくれた。フランスの窯のものはあるかな?と尋ねると、Gien窯のきれいな絵皿を出してくれた。
絵皿を一抱えほど買い、これで土産を配る先に不自由しなくて済む。そう安心して、最後に凱旋門を見に行く。すると、凱旋門の真下で何か作業をしている。ロープをたらして、何かを吊るそうとしている場面に出くわした。 作業を最後まで見ていると、なんと吊るしたのは大きなフランス国旗だった。戦勝記念日を目前にしたものだった。
はためく国旗を前にして、忙しくも長く感じたパリ滞在もそろそろ終わりを迎えたことを実感する。離れるとなると寂しいものだ。今夜は仕事で集まった皆と共に、日本食の料理屋で宴会を開く予定なのである。いよいよお別れだ。
さて、宴が終わった頃。近くの教会のコンサートを思い出す。間に合うだろうか。仲間を引き連れて訪れたとき、教会の扉は硬く閉ざされていた。がっかりしていると、不意に内側から扉が開く。ちょうど、コンサートが終わったところだった。
来客者の感動に溢れたざわめきの中を進むと、ご婦人が今日の楽曲を録音したCDを売っていた。日本から来たことを伝え、1枚購入する。お互いに笑顔が溢れる。帰国して写真を眺めながら聴くのが楽しみだ。(フランスの旅・おわり)
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年03月08日 10:00
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