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ウインドウINウインドウ
立体写真で面白いのは、遠景と近景を組み合わせて臨場感が出せるところだ。意図的にこれらを組み合わせると、普通の写真にはない効果が出る。立体視して、距離感が具体的に感じられたとき、これが驚きに変わる。
そんな被写体として使えるのが、窓から見た風景。室内から窓の外を眺めた様子が、立体写真だと臨場感として、その場にいる空気感のようなものが切り取れる。ビュアーで見たときのオモシロさはなかなかのものだ。
たいていの場合、窓の外のほうが明るくて、窓枠のほうが極端に暗い。どちらも適正露出にすることは、特殊な処理でもしない限り無理。だが、立体写真というのは、シャドーが黒くつぶれていても、僅かに諧調が残っていれば認識が可能だ。闇の中の僅かな濃淡がその中の造形を伝えてくれる。
そういう効果があるので、僕は明確にしたい主題のほうに露出をあわせ、その他のほうは出来成りで撮る。窓の外の風景を明確にしたいなら、窓の外に合わせて早いシャッターを切り、窓枠はアンダーにする。
ただし、どういった場合でもどちらにもフォーカスが合うよう、絞りは絞り気味にしている。
いつもヨーロッパの国々の窓には趣があるように感じている。凝った窓枠であったり、しゃれた飾りがあったり。使われているガラスも、古風なものであったりする。古い建物を見るときなど、窓の造りに注視してしまうこともしばしば。
ストックホルムのホテルに泊まったときのこと。廊下の突き当たりに、ストックホルム中央駅を望む窓があった。俯瞰で歴史を感じる駅の様子を眺めることができる。この窓に飾りが置いてある。ならばと、ちょっと引いたアングルで、この様子を撮る。ステレオウインドウの中に、もう一つのウインドウが収まった。
投稿者 J_Sekiguchi : 2012年03月15日 10:00
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