STEREO CLUB TOKYO

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⑥大伽藍

 ルーヴル美術館を後にし、セーヌの河岸と呼ばれる川の中洲に出る。いにしえの建造物が建ち並ぶ古風な風景に出くわす。この一帯は世界遺産に登録されているという。天気も良く、散策にちょうどいい。
 ここは手入のされたきれいな公園になっており、多くの人たちが集い、にぎわっている。日差しが強く、水売りの姿もちらほら。川の上流の方を望むと大きな寺院が目に付く。かの有名なノートルダム寺院である。
 ここまで来たのだから見逃すわけにも行くまい。入り口のほうに向かってゆくと、なんと長蛇の列ができている。訪れた日は拝観料が無料の日だった。いろいろな国からの人々が列をなしている。
 中に一歩入ると、例によって神聖な空気が巨大な空間に満ちている。大きなステンドグラスが周囲を囲み、ろうそくの明りが辺りを揺らめくように照らす。カメラを構えるのも忘れしばらく見入ってしまう。回廊は長く、長く続く。
 ちょうど建物の中間近くまで行ったところ、翼廊に続く部分の上部に大きな丸いステンドグラスが現れる。バラ窓と呼ばれる様式で、ノートルダムのものはひときわ大きく見事である。今から800年ほど前に作られたのだという。
 この大きな寺院は高さが66mある。パリの街は、景観を保護するため建物の建築に高さ制限をしていた時期もある。ノートルダムの近くにこれを超える建物はない。それゆえ、その大きさは圧倒的なスケールで伝わってくる。このシンボル的な建造物は800年前からずっと、この風景の、ここに住まう人々の中心的存在であったに違いない。
 時間が許すならば寺院の中だけではなく、外壁の彫像もじっくりと見ておきたい。人々の信仰に支えられ、長きに渡って大切にされてきた寺院である。見所は多い。ちょっとだけ見て帰るのではもったいない。(つづく)

ノートルダム1.jpg

ノートルダム2.jpg

ノートルダム3.jpg
▲毎度、低照度下で撮影したフィルムから画像を取り出すのに苦労します。
 オリジナル画像にはこのようなざらつきは無いんですけどね。

投稿者 J_Sekiguchi : 2012年02月09日 10:00


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