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糊付名人
紙マウントの自作についての続きのおはなし。厚紙から切り抜いたマウントを貼り付けるのに、スティック糊がいいよとご紹介したのだが、もう少し塗りやすいものがないだろうかと作業のたびに悩んでいた。固形の糊を押し付け、丁寧に塗るのだが。どうしてもマウントの窓のところとか、縁のところでこの固形の糊が削れる。削れたカスがあちこちにまとわりついてベタベタになるのだ。これが煩わしい。カスを指で拭うのでベタベタ。何とかしてよ、このベタベタ。
どんなものが塗りやすいのかなあ、なんて日々考えていた。前に住んでいた家は障子があって、年末になると張り替えていたなあ、なんていう思い出と重なる。障子は障子糊で貼るのだが、お湯でのばしたでんぷん糊を使う。これを刷毛で塗るのだ。障子を綺麗に張るにはコツがあって・・・いや、障子のハナシではない。そうだ、刷毛で塗ろう。
マウントに糊を塗るのなら、大きな刷毛ではなく、小学校の図画工作で使うような水彩絵具用の筆がいいかも。ちょっと扁平のやつがいいかな。これにちょっとゆるい、流動性のある糊を塗ればいい。なんかいけそうじゃないか。
ただし、でんぷん糊ではダメ。塗った後に乾かしてドライな状態にし、熱で接着できるものじゃなきゃダメだ。糊とはいえ、熱可塑性プラスチックの仲間、樹脂成分でできた糊じゃないとダメだ。さて、どんな糊がいいか。
スティック糊の主成分、PVPはポリビニルピロリドンといい、水溶性のプラスチックである。これをお湯で溶かす、なんていうのはめんどう。他に探すと、アラビックヤマトがあるじゃないか。昔は天然成分のアラビアゴムを主成分としていたので名前に名残があるが、今の主成分はPVAL、ポリビニルアルコールという樹脂だ。これを水でのばして筆で塗り、乾燥させた。ちゃんと「楽ちんマウント大作戦」で紹介した方法で、バッチリ接着できるよ。
PVAL(別名ポバール、PVAとも)
視認しやすいようインクでブルーに着色しています。
塗りやすい粘度になるよう、水を加えてください。
(PVPはお湯で溶かせますけど、泡立つので使いにくいですヨ)
投稿者 J_Sekiguchi : 2011年12月22日 10:00
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