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マウント作業の新方式

 さて、フィルムへの熱影響がないように治具を作った。今度はラミネーターの温度設定を最高温にしてみよう。被験物は自作のマウント、接着剤はPVPのスティック糊をあらかじめ塗って乾燥させている。さて、結果はどうか。
 一応は接着ができているが、まだ十分に着いていない。フィルムの変形はなく、一安心。ただ、実験の結果わかったのは、フィルム面に接触する治具の紙面には、コート剤が無いほうがいい。白色の面は簡単に言うと白い塗料のようなものをコートしてある。このコート剤が剥がれ、細かいゴミとしてフィルム面に付着する。これがまた、かなり強力にくっついちゃうのだ。くれぐれも気を付けてください。フィルムに接するのは茶色のクラフト面。
 ここで、過去に市販されていたヒートシールマウントを同様に処理してみる。ところが、これが全く接着されない。どうやら、アイロンほど温度が高くないことと、ローラーの圧着力がそれほど大きくないことが原因のようである。
 自作マウントの場合、より低い温度で接着できるように工夫をすれば、フィルム面へのダメージもより小さくなるはずである。そう考えて、PVPより低い温度で接着できるものを探してみた。合成糊に使われているPVALを試してみたが、うまくはいかなかった。どうやら、接着面の密着性も関係している。さて、低温でよくつく接着剤、無いものか。
 あるとき、切手を手にしてひらめいた。乾いた糊なのだからもう一度水分を含ませたらどうか。フィルム部分に覆いをかけ、霧吹きで片側を濡らす。そのまま治具にセットしてラミネーターに投入した。設定温度は一番低くしてある。
 さて、結果はどうか。なんと、完璧に接着され、フィルム面もマウントも素晴らしい平面に仕上がっている。これなら簡単。新しい方法の完成だ。さあ、溜まっていた長巻24本分、約700枚を一気にやってしまおう。(おわり)

H420c.jpg

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年10月22日 10:00


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