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③ガムラ・スタン
スウェーデンの地図を見ると判るとおり、たくさんの湖が点在している。また、ストックホルムは海に近く、上空から見ると、島々や中洲がモザイクのようにちりばめられている。まさに水の国、水の都だ。
今度はストックホルム中央駅近くのホテルから歩いて船着場に行き、小さな船に乗って対岸に渡った。船を使わず、歩いて行くこともできるが、船風を浴びるというのもいい。青い空に海鳥が群れている。
船を降りると、王宮に続く長い登り坂があり、丘の周りを古い町並みが囲んでいる。このあたりはガムラ・スタンと呼ばれていて、石畳の細い路地と、昔からの建物が、長い歴史を語るかのように保存されている。
細い路地は、縦横にさらに小さな路地につながっていて、奥のほうには大聖堂の時計台がこちらを見ている。こういった風景をステレオで撮るのは楽しい。リアリストで撮っていると、自分が風景の一部になったような気がしてくる。
天気が良いので、日のあたる部分と、陰になった部分のコントラストが大きい。こういう被写体は、露出をどこに合わせるのか悩むところだが・・・。でも、ステレオの場合、暗い影に埋もれた風景もうまく表現してくれる。僕はこのような時、日の当たっているところを優先させ、シャドー部分はやや落ち込むようにして撮っている。そのほうが自然に見えるようだ。
さて、仕上りが楽しみだ。もし、デジタルだったら、うまく撮れたかその場で確認したくなるだろう。フィルムではそれができないから、どんな仕上りになるのか想像を大きく膨らませながら撮る。それが楽しいのかもしれない。
スタジオデラックスを使って、日の当たるところと、陰になっているところを計る。針の触れた範囲で、シャッターと絞りの組み合わせをどの程度にしようか考える。頼れる露出計は、イメージを膨らませる助けをしてくれる。(つづく)
▲王宮の丘から港を臨む
▲ガムラ・スタンの小路
投稿者 J_Sekiguchi : 2011年08月04日 10:00
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