STEREO CLUB TOKYO

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火山のビーチ

 美しい海岸、というイメージで誰もが想像するのが白い砂浜。南国の海岸に広がる真っ白な砂浜というのは、サンゴが波で砕かれた砂。サンゴ由来ではない白い砂浜は、石英の砂のことが多く、ルーペで見れば透明な粒が見える。ちなみに、踏みつけると音がする鳴き砂は、石英の砂が擦れあって音が出る。音の出る鳴き砂の浜は、不純物の泥などがないためとても綺麗だ。だが、これらサンゴや、石英の粒というのは、火山性の土地にはまず見当たらない。
 さて、サントリーニ島にもビーチがある。島の内側の海は湖のように波が穏やかだが、火山の外輪山が沈下してできているため断崖絶壁ばかり。島の外側の海は波が荒い時もあるが、いくつものビーチが点在している。その中に、普通のビーチとは全く趣の異なる、しかし美しいビーチが島の南端にあるという。レンタカーでフィラの街から30分ぐらいだろうか。だいぶ右側通行、左ハンドルの運転に慣れ、景色を見る余裕も出てきたので、レッドビーチと呼ばれるそこへ行ってみた。
 向かうビーチは、車を止めて徒歩で丘を登り、海に向かって降りるという道を辿る。丘の上に立って驚いた。海の対岸が切り立った崖になっていて、真っ赤な岩肌が一面に広がっている。対峙するかのように、海はどこまでも碧い。細長いビーチにはたくさんのパラソルが並び、とても美しい光景だった。
 ビーチに降りるまで、いくつかの岩を乗り越え、急な斜面に気をつける。波打ち際に降りると、赤黒い小石が敷き詰められている。手に取ると、たくさんの穴があいていて軽い。火山の礫が堆積してできたのだろう。
 パラソルを借り、しばらく日光浴をする。海に入ると、真夏だというのに結構冷たい。透明度が高い海に浸かりながら、迫り来る真っ赤な壁を臨む。こんな海岸が世の中にあるとは。自然が作り出した奇跡の海岸である。(つづく)

Rビーチ.jpg

サントリーニ1.jpg

▲赤い砂浜が広がる (ヨーロピアン改造リアリストで撮影)

投稿者 J_Sekiguchi : 2011年07月07日 10:00


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