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紙のふしぎ(2)
僕がステレオマウントの自作で使っている紙は、事務用品で使われている「個別ファイル」といわれているもの。適度な厚さがあって、強さがあり、折り曲げ線で素直に折れるので使いやすい。もともと「個別ファイル」に求められる性質がそういうものであったからだろう。書類をたくさん束ねて、仕事で使うたびに取り出しを繰り返しても丈夫で、表紙も兼ねる紙。つまり、適度な厚さと腰の強さがある紙が使われている。
ふしぎなのは、この「個別ファイルの紙を単体で購入しようとしても、手に入るルートが見つからないのだ。このぐらいの厚さの紙になると一般的な需要としては少ないのだろう。工作用としてならもっと質の低いボール紙があるが、紙の繊維が粗すぎ、厚さも極端に厚くなる。一方「個別ファイル」の紙より少し薄くなると、紙種はとたんに豊富になる。
では、僕が求める紙はどこで使われているかというと、製本業界らしい。本の各パーツ用に、厚さや腰の強さもいろいろな紙が流通しているらしい。ごく僅か、自分で本を作る人向けに買える所もあると聞く。だが、選択の自由度は小さい。
だから個別ファイルのように、一般に流通しているものが使えるなら、それを利用するほうがずっと安価である。
たかが「紙」であるが、「これ」というものを買うのは難しい。そんなばかな、たかが紙ではないかという人もいるかもしれない。では、新聞紙を、印刷前の状態で買ってきたまえ、とか、A3サイズのティッシュペーパーを買ってきたまえ、とか、辞書に使われている薄い紙をA4で用意したまえ、なんて言われるととたんに閉口してしまうはずである。
いつも身近にある紙も、その性質に着目すると実に奥が深いのである。個人的には「お札の紙」をどうやって作っているのか、ルパン三世並みの興味を持っているのだが、日本の優秀な印刷技術とともに国家の機密だそうである。
▼ マウント切り出しの要領を参考として提供します。
投稿者 J_Sekiguchi : 2011年05月23日 10:00
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