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タンポポの綿毛
昔々、シベリアでツングースカの大爆発と呼ばれる大事件が起きた。それは1908年のことだから既に100年をこえた昔のこと。日露戦争を終えた後の混乱した世の中で起きた、脅威の出来事だった。シベリアの密林の上空でとてつもなく大きな大爆発が起きたのだ。ロンドンでは地震計が振動を捉え、夜でも新聞が読めるぐらい空が明るくなったという。
半径50kmに渡る森林がなぎ倒され、大規模な森林火災が発生した。幸い、死者は発生しなかったらしい。想像を絶する大爆発にもかかわらず、調査団がその地を訪れたのは何年も経った後だという。調査団は隕石の落下と想定し、証拠となるクレーターと隕石の残骸を探したが、どちらも発見できなかった。原因不明の大爆発。いろいろな推測がされ、議論が重ねられた。今では、彗星が落下し上空でバーストしたものであろう、という仮説が有力視されている。
なんでこんな話をしているかというと、このときの調査団の映像が残されていて、ナショナルジオグラフィックのDVDとカール・セイガンのCOSMOS(これもDVDが出ている)で見ることができる。ここに、僅かなカットだが、調査員がステレオカメラを手にしているのが確認できる。昔のガラス乾板式のものだろう。一見、ローライドステレオのように見えるが詳細はわからない。当時の学術調査にステレオ写真が有効だったということが想像できる。
ところで、カール・セイガンのCOSMOSは今から20年以上前に日本語吹替えされ、TV放送もされた。全世界で人気となったシリーズで、懐かしいと思う人も多いだろう。残念ながら日本語吹替え版DVDはリリースされていないが、日本語字幕が入ったものが発売されている。改めて観賞していたらこんな映像があった、というわけ。著作権の問題もあるのでその映像は転用しない。かわりにCOSMOSのオープニングにも使われているタンポポの綿毛をご覧ください。
投稿者 J_Sekiguchi : 2010年09月10日 10:00
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