STEREO CLUB TOKYO

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古代ハス

 ハスの花はどこか神秘的な雰囲気がある。仏様が座る台座にもハスの花がデザインされているからだろうか。大きく優雅で、触れてはいけないような雰囲気を漂わせる。この花、受粉すると種を作るのだが、ラッパのような形をした実が熟し始めると茎が大きく伸びてくる。中には大振りの種が並んでいて、美しい花に比べると奇妙な形をしている。
 この中の種、一般には「ハスの実」と呼ばれ食用になる。結構おいしいらしい。で、この種は他の植物の種に比べると皮が厚く、保存状態次第で長い期間にわたって発芽能力を維持することができる。ハスは底に泥が厚く堆積した水辺で繁殖するが、種がこの泥の中に埋まり、酸素から遮断した状態に置かれると、何百年も発芽能力を維持したまま生き残るらしい。
 そんなハスの種が地中から発掘され、発芽したのが昭和27年。世界的な話題になったという。その古代ハスが株分けされ、各地で花を咲かせているという話をだいぶ前に聞いたのを思い出した。どうせハスの花を観賞するなら古代ハスを観に行こうと決め、茨城県古河市にステレオカメラを持って早朝に出かけた。ハスの花は朝開き、午後には閉じてしまうからだ。
 到着すると大きな蓮池がある。これが全て一粒の種から生まれた子孫か、と驚くほどに繁茂している。朝も早いというのにもう観に来ている人がちらほら。失敗したのは脚立を持ってこなかった。奥のほうまで見渡すことができない。
 奥のほうの花を見るために池の中に入ってゆくわけにも行かない。撮影するだけなら長い棒の先にカメラを付けてみるか。でもどうやって付ける?シャッターはどうやって押すの??そんなどうにもならないことをあれこれ考えているとフラストレーションが蓄積する(笑)。そんなこっちの思いなど関係無しに、ハスの花は優雅に咲いていた。これが2000年間眠っていた種から生まれた子孫であるとは。生命というのはなんと不思議な存在であろうか。なむなむ。

古代ハス.jpg

投稿者 sekiguchi : 2010年07月20日 10:00


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