花火を見よう
打ち上げ花火は、星と呼ばれる火薬玉の集合体を、球状にまとめたものを打ち上げる。だから上空では球状に展開しているのだ。遠くにあるので平面的に見えるが、巨大な球の形に広がっている。これを確かめるには巨人の視点で眺めるとよくわかる。2台のカメラを使ってステレオベースを数mのレベルで広げた撮影がこれを実現してくれる。巨人の視点で見た、大きく広がった花火を縮小化して立体視するというものだ。ハイパーステレオと呼ばれている。
僕はこのようなハイパーステレオ撮影をやったことがない。やり方はわかるのだけど、実際に大勢の花火見学客がいる中で2台のカメラをセッティングする体力がない(笑)。ステレオクラブの例会で、メンバーが撮ったステレオ花火を鑑賞させてもらったが、実にすばらしい。色とりどりの光跡が球状に展開しているのが手に取るようにわかる。
見せてもらうとやりたくなるのだが、いまだに実現できていない。僕にとって花火観賞は、ビールを右手、イカ焼きを左手に持つのが常である。これではとても2台のカメラをセットして、構図と同期を見計らって撮るという余裕がない(笑)。それでもイカ焼きを食べた後の左手には余裕ができるので、リアリストのシャッターを押すぐらいはできる。
そういうわけで、ハイパーステレオにはならないけど花火の写真をちょっとだけ撮影した。面白い仕上がりにするため、花火見物客を入れて立体的にしてみた。広島の宮島水中花火大会では、海面で展開する花火が迫力満点だ。これならシルエットがうまく出る。みんな三脚を立てて撮影しているが、僕はスローシャッターにしてあえて手持ち撮影だ。おでこホールドなら1/2secまでブレない自信がある。少々酔ってはいるが、呼吸を整えて花火が展開するタイミングにあわせてシャッターを押す。機械式のカメラはレスポンスがいい。
投稿者 sekiguchi : 2010年07月02日 10:00
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