トマソン物件
昔、TVのタモリ倶楽部でやっていた「東京トワイライトゾーン」のコーナーが好きだった。なんでこんなものが存在するのだ?という、街中にある奇妙な物件を紹介するというもの。一つの通りの中にマンホールが異常に多く存在する「マンホール銀座」とか、住宅の2階の壁面に唐突に設けられた蛇口とか、記憶に深く突き刺さっているものが多い。毎回楽しみにしていたのだが、終了してからだいぶ経つ。500円札を知らない世代には、何のことだかわからないだろう。
録画したものなどないので確かめようがないが、あのコーナーを担当されていた久住さんか滝本さんが首からぶら下げていた奇妙なカメラ、あれはスレテオカメラではなかったか?久住さんが赤瀬川さんの本に登場しているのを発見し、このコーナーがトマソン、路上観察に深く関係している、と気がついたのはコーナーが終了してだいぶ後になった頃だった。
そんなわけで、僕もトマソンというかトワイライトゾーン的な物件を観察するのは好きである。ステレオカメラをぶら下げて散策しているときも、トマソン物件がないかとつい探してしまう。でも、自分でそういう物件を探し出すというのはあまり得意ではない。見つけようと思う時に限って見つからない。ぼんやり歩いているときの方が遭遇しやすいが、これは!?と思うものがあってもなか記録に残せない。いざとなると、こんなもの本当に面白いかなぁ、と考え始めてしまうのだ。
そんなぼんやりとしていたある日。とある海岸の駐車場である。海水浴のシーズンも終わるという頃。駐車している車が少ないナーと思ったら、不審車が一台。だが、これを一台と呼ぶべきかどうか。ハッチバックの後の扉だけなんである。扉だけ置いてあるなら不法廃棄の自動車と同じであるが、これにはちゃんとナンバーが付いている。邪魔だからと、勝手にどかしたりしてはいけない。どうしてもどかしたいなら、警察に電話してレッカー車を呼ばなければならない。
投稿者 sekiguchi : 2010年06月18日 10:00
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