STEREO CLUB TOKYO

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対馬 

 たまたまある用事で、対馬に行くことになった。九州と朝鮮半島のあいだにある南北に細長く伸びる島。あらためて地図をよく見ると、朝鮮半島と九州のちょうど真ん中辺りに位置していて、朝鮮半島までは50kmほどしか離れていない。地理的な関係から、大陸との交易の拠点になったであろう事は歴史を調べるまでもなく容易に想像できる。
 日帰りの用事であったが、時間的に余裕があったので万松院に行ってみた。ここは約400年前に対馬藩主である宗家が建立した寺であるという。ここでいろいろ聞いたのが、宗家は当時の朝鮮王朝との交易で中心的な存在であり、重要な役割を持ってそれに仕えたこと、山手には代々の墓が建立されていて、墓所の内部には財宝が隠されている、とか。また、その墓は朝鮮王朝の文化を取り入れた朝鮮様式であるとか、墓石が重すぎて墓荒らしの盗賊が途中で諦めた跡がある、とか。
 墓所までの階段には和風の灯篭が並んでおり、ここ全体が朝鮮との折衷様式になっているという。そんな話を聞きながら、やっぱり僕は歴史が得意じゃないと思い知らされた。この辺の歴史は学校でも習ったのだろうが、ちっとも憶えていない。
 せっかく立ち寄ったのだから、階段を登って宗家の墓所にお参りに行ってみた。驚いたのは墓所の周りに杉の巨木が並んでいる。木の勢いも良く、幹が太い。これだけ大きな杉というのも珍しい。おそらく樹齢は1000年を超えているのではないだろうか。万松院が建立された以前からここにいたに違いない。
 日が暮れる前には島を後にしたのだが、昼食の定食で出た刺身が最高においしかったのを思い出す。泊りであるなら、夕食には刺身の舟盛をオーダーしたことだろう。対馬海流が流れるこの島は、漁場として最高の場所にある。とびきり鮮度のいい魚が手に入るのだろう。次に行く機会があったら、極上の刺身醤油を持ち込んで旬の魚を存分に味わう、と決めている。

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投稿者 sekiguchi : 2010年05月11日 10:00


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