STEREO CLUB TOKYO

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ロケット基地の見学

 日本のロケット打ち上げ場は2箇所ある。鹿児島県の大隈半島にある内之浦宇宙空間観測所と種子島宇宙センターだ。どちらもだいぶ前に見学に行ったのだが、内之浦のほうは撮影をしなかった。してはいけなかったのか、勝手に遠慮したのか覚えていないが、普通は入れない施設の中も見せていただいた。古い建物の片隅にニキシー管表示の制御装置か何かがあってとても興味深いものがあった。日本ではじめて人工衛星を打ち上げ「おおすみ」と名付けたのは、打ち上げ場所のあるこの半島の名前から取っている。その頃の装置かと思うようなものが置いてある一方で、別棟では最新の電子機器が使われている。小ぢんまりとした感じでありながら、日本の宇宙開発の歴史を感じさせてくれる場所である。
 種子島に渡って、宇宙センターではH-Ⅱロケットの発射台を見学した。内之浦の固体ロケットとは違い、大型の液体燃料ロケットを発射する場所であるため発射台にも工夫がある。ロケット噴射を受け止める部分はコンクリート製の大きな水槽になっていて、燃焼ガスの威力を受け止める仕組になっている。実際にロケットがセットされていれば相当な迫力であろう。発射台だけでも、ここから宇宙に飛び立つのに必要な多くの課題を克服するための工夫が盛り込まれている。
 さて、種子島といえば鉄砲伝来の島である。異国の技術を基にしているとはいえ、日本の鍛造技術があってこそ鉄砲を国内で作ることができたのだ。今でも種子島には昔からの鍛冶屋さんがおり、鋏などの製造をしている。鋏を一丁購入させていただき、作業の様子を見学させていただいた。ふいごの炭火で真っ赤に加熱された鋼を、ハンマーでたたいて命を吹き込む。硬い刃先と持ち手の鋼をつなぎ合わせる。あわせ面に硼砂と砂鉄を混ぜたものを挟むそうである。ハンマーをひと振り。飛び散る火の粉が美しい。物造りの素晴しさを感じる一瞬である。

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投稿者 sekiguchi : 2010年04月09日 10:00


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