測距儀
リアリストのレンジファインダーはミリタリータイプだと以前に書いたことがある。戦場で砲撃をするには、まず標的までの距離を測る。この距離に弾丸が落ちるように調節して弾丸を発射する。どうやって調節するかというと、弾丸が飛ぶ速度と砲の仰角で調整する。砲によっては射撃のたびに火薬の量を調節し、弾丸が飛ぶ速度を変えられるものもある。
そんなわけで、戦場では目標物までの距離というのは重要な情報で、レーダとかレーザー光線を使った距離計で計測をする。光学機器としては測距儀があり、現代では射撃には使わず、僚艦との距離を測ることなどに使われる。
このレンジファインダーの親分みたいな機械、海上自衛隊が行う観艦式で見ることができる。昔、運よく観艦式の予行に参加する艦船に乗船できた。横須賀港を出航し、各方面から来た艦船と相模湾で合流。縦一列になって進んでゆく。このきっちり並んで進むことは高度の操艦技術が必要だという。ここでも測距儀が使われることだろう。
航空機の観閲、艦艇の観閲、訓練展示と続き、一連の行事を終えるとまた一列になって港に帰る。帰る頃になると、艦内のあちこちを見学させてもらうことができた。ブリッジの近くに周囲が見渡せる見張り台のようなものがあって、ここに測距儀が置いてあった。アイピースを覗き込むとリアリストと同じように上下に分割した像が見える。ダイヤルを回すと像が動く。先を行く艦艇のマストに合わせてみる。ゆっくりと、カメラでフォーカスをあわせるようにダイヤルを回す。
ちょうどマストの像がきっちりと合った。ダイヤルの数値を見ると1kmほどだったろうか。基線長が長いのでこのぐらいの距離のものでも正確に測定できる。こういうのがあれば距離を測るのに便利だ。でも、なんに使うの??・・・おお、そうだ、ハイパーステレオを撮るときに使ったら相当便利じゃないかな。ね、使えそうですよね、関谷サン。
投稿者 sekiguchi : 2010年03月02日 10:00
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