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ザンベジ川観光
前回紹介したビクトリアフォールズのもととなっているのがザンベジ川だ。雨季と乾季で水量が大きく変わるらしいが、雨季の雨水を大量に抱えた川面は茶色に濁っている。この川には観光船があり、これに乗り込んだ。
両岸には大きな木々が生い茂り、どこまでも同じ景色が広がっている。広大な川面は濁りながらもゆったりと流れている。のんびりとした景色だが、下流ではあの大きな大地の裂け目が口をあけて待ち構えているに違いない。この大河、水面をじっと見つめると、どんな怪魚が潜んでいても不思議ではないという思いが涌いてくる。事前に調べると、この川にはデンキナマズが生息しているらしい。本当かどうか現地のガイドに片言の英語で尋ねると、確かにデンキナマズがいるらしい。
南半球のこの地では太陽は北にあり、その光跡は左下に向かって落ちてゆく。時刻は夕刻を迎えたが、まだ太陽はぎらぎらと輝いている。船が減速すると、そこはカバの群がいる場所だった。あちこちの水面に大きな塊が浮かんだかと思うと、カバの息継ぎで水しぶきが上がり、観客の歓声が湧き上がる。すかさずリアリストのシャッターを切る。
こういった広大な自然を撮影するには広角レンズがちょうどいい。僕は同じモデルのリアリストを2台持ってゆき、片方には広角レンズアタッチメントのレデュフォーカスを装着した。ノーマルの画角と使い分けるのにアタッチメントをいちいち取り外すのも面倒なのでこうしている。2台あるとフィルム交換の頻度も軽減する。だがこのスタイル、結構目立つ。
ぎらぎらとした太陽は、オレンジ色に輝きながら水平線のかなたに消えてゆこうとしている。最後まで強い光を放ちながら沈んでゆく。これがアフリカの太陽なのだ。水面に輝くオレンジ色の光の道が大きく広がってゆく。両岸がシルエットに沈むこの景色を広角で撮影する。空は深みを増した藍色に変り、まもなく南天の星たちが夜空を飾ることだろう。
投稿者 sekiguchi : 2010年02月16日 10:00
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