ビクトリアという名の大滝
アフリカツアーの見所の一つとして、ザンビア・ジンバブエ国境にあるビクトリアフォールズを訪れた。大きな大きな滝である。世界3大瀑布の一つに数えられるが、この滝のスケールはホントウに大きい。大河が大地の裂け目に落ち込んでいる、そんな言葉のほうがイメージに合致する。季節は乾季に入っていたが、雨季に降った大量の雨水で川の水量が増していた。
遠くからも巨大な水煙が見えるほどで、見学にはビジターセンターで受付をし、ビニール製の簡易レインコートを受け取る。びしょ濡れになるのだろうということが容易に想像できる。草木が生い茂る小道を進むと突然目の前が開け、地鳴りのような水の落ちる音とともに巨大な滝が現れる。水しぶきで大きな虹がかかる。すばらしい景色が広がる。
この滝を発見し、西欧諸国に知らしめたのが19世紀の宣教師であり探検家のデイビィッド・リビングストンだ。彼の像が滝を見下ろすかのように建てられている。後で気がついたのだが、ビューマスターのリールC-3100番は、まだこの辺りがローデシアと呼ばれていた頃のビクトリアフォールズの3D写真で、僕が見たリビングストンの像がすでに収められている。ビューマスターの滝はずいぶんと水量が減ったときのもので、実際に見た滝の迫力とは程遠い。
この滝は幅が1km以上あり、対岸に遊歩道が整備されている。歩きながら滝の全貌を見て回ることができる。先ほどまでレインコートなどいらないではないかと思っていたが、場所によってはしぶきが雨のように降り注いでいる場所がある。空は快晴なのに、水煙で霧の中にいるようだ。カメラが濡れないように気を使っていたが、足元はずぶ濡れになってしまった。
滝幅の端まで歩き、自然が作り出した奇跡の造形を十分堪能した。なぜか気持ちも晴れ晴れ。はて、これはマイナスイオン(?)の効果だろうか。そんなイオンが本当にあるか知らないが、いつの間にか足元が乾燥した空気ですっかり乾いていた。
(「続・旅カメラ」の中段写真もあわせてご覧下さい)
投稿者 sekiguchi : 2010年02月12日 10:00
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