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あっ!ネジがない!
前に「旅カメラ」のタイトルで、海外旅行で故障が起きてもあわてなかったという話を書いた。まあ、あわてなかったんだけどちょっとビビった(笑)。それは、アフリカに皆既日食を見に行ったときだった。メインの皆既日食を見る前に、あちこち観光に寄る。サファリとか、ビクトリアの滝を見たりとか。移動はおもに小さなバスだったのでよく揺れる。この揺れがいけなかったんだろうか。気がつくとフォーカスノブの無限遠位置にあるマイナスネジがなくなっている。
このネジがなくなってしまうと、フォーカスノブが際限なく回ってしまう。普通は1回転しかしないようになっているのにどこまでも回るではないか。いじっているうち、何回転したのかわからなくなってしまった。まずい!
メインの皆既日食を見る前に、フォーカスができなくなってしまった。これは大変だ!・・・まてよ、よく考えたら、フィルムレールとレンジファインダーは常に同期しているから、レンジファインダーを信用すればいいのだ。落ち着いてカメラの構造を思い出せばなんでもないことだった。とりあえず、その辺の木の枝を折ってネジ穴に差し込んでおく。
このままでもいいんだが、さすがに木の枝じゃかっこ悪い。小さなネジがないか探してみると、サングラスの蝶つがいのネジが合うかもしれない。と思って早速取り付けてみると合うではないか。帰国するまでカメラにはこのネジで代用してもらおう。サングラスの蝶つがいには、細い針金を探してきてこれで留めた。はてさて、どっちがかっこ悪いんだか。
ネジは振動に弱い。繰り返し振動を与えるとだんだん緩んでくるのだ。かつてアポロが月に行ったとき、日本製の双眼鏡が載せられた。打ち上げのときの強烈な振動でネジが緩まないよう、技術者は相当な苦心と工夫をしたそうである。機械の主要要素と言われてきたネジだが、現代のカメラではコストを下げるという目的でその数を減らしているという。
投稿者 sekiguchi : 2010年02月23日 15:41
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