登別温泉郷
北海道の南側に有名な登別温泉がある。ここはいろいろな泉質の温泉があり、湯量が豊富だ。温泉街より山側の一帯は地獄谷と呼ばれている。草木の生えない、蒸気が吹き出している様はまさに地獄。とはいいながら、遊歩道が整備されていて安全に散策することができる。観光客も多く、エサをねだるキタキツネの姿もよく見られる。
温泉街から細い道を山伝いに車で登ると、大湯沼という温泉が噴出している湖にたどり着く。この景色もまさに地獄。湖面を這う湯気の向こうで、ボコボコと音を立てて湯が沸いているのが見える。入ってはいけないと書いてあるが、誰が入るものか。一歩でも足を踏み入れようものなら、引きずり込まれそうである。だが、こういうところでカメラを持っていると、近づいて撮影をしてみたいという欲が出てくる。あのボコボコを立体で撮ってみたい、と。
でもやめておいたほうがいい。もし、足を踏み外そうものなら生きては帰れない。足を踏み外さなくとも、強烈な硫化水素ガスで意識を失うかもしれないのだ。そんなコトを考えながらタバコを一服していると、地元観光タクシーの運転手さんが、休憩で一服しながら話しかけてきた。今日の噴煙はおとなしいなー。だそうである。で、昔はたまーにこのボコボコに身を投じる人もいた、と(ホントウだろうか??)。で、熱泉で溶けて何も残らないのだ、と。何も残らないのに何でわかるのかといえば、髪の毛だけは溶けずに残るんだそうだ。こっちからは何も聞いていないのに、そんな気味の悪い話を次々に披露してくれる(笑)。
大湯沼を後にし、来た道をそのまま進むとクッタラ湖という丸い形をしたカルデラ湖にたどり着く。透明度が非常に高い。日本国内では摩周湖に次いで2番目に透明度の高い湖だそうだ。湖畔にレストハウスがあり、手漕ぎボートを借りられる。あたりは静寂で、先ほどの地獄の風景とは一変した神秘の世界を体験することができる。
投稿者 sekiguchi : 2009年12月02日 10:00
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