ミツバチを撮る
マクロステレオカメラを自作して、初めて撮影した昆虫がミツバチだった。ミツバチはご存知の通り毒針を持っている。刺されるのではないかと恐れる人も多いが、蜜を吸っている蜂が何もしない人間をいきなり襲うことは少ないようだ。花に集まるミツバチは忙しそうに花の蜜を集めている。カメラを構えて近づく。刺されないように、なんにもしませんよーと、そーっと近づく。ストロボを発光させても驚くふうも無い。
初めのうちの撮影は花に留まって蜜を吸っているところを撮る。だんだん、飛んでいるところを撮りたくなってくる。だが、すばやく飛翔するミツバチをファインダーで追いかけるのは至難の業だ。とてもうまくいくものではない。そこで、夢中に蜜を吸っているところを近づいて、フォーカスを合わせて待つ。そのうち次の花に向かって飛び立つので、その瞬間にシャッターを押すのだ。こうすると飛翔している姿を撮影することができる。ミツバチというのは、一つの花を仲良く一緒に吸うということは無いらしい。他のハチが近づくと飛び立つ。この瞬間を狙うと、2匹のハチを一緒に写すことができる。
そんな感じで撮影を楽しんでいたが、あるとき偶然にもある養蜂家のご好意で巣箱の中のハチを撮影させていただいた。いわゆる網付きの帽子とかの防具も無く、丸腰の状態で撮影に望んだのだ。自作のマクロカメラは約30cm先のものに合焦する。煙で燻して刺されないようにしているとはいえ、さすがにこのときは近づくのが怖かった。なんにもしませんよーと念じながら数枚を撮った。その中には女王蜂のショットもあった。なかなかできない体験であった。
ミツバチというのは社会性の高い昆虫で、その生態は古くから研究されている。フィールドで蜜を吸っているのを見ても感じられないが、巣箱の中でせっせと動き回る彼女ら(働き蜂は全部メス)の社会はとても不思議な魅力に満ちている。
投稿者 sekiguchi : 2009年09月28日 00:06
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