STEREO CLUB TOKYO

« 新型マウント・大地に立つ | メイン | 下北半島にて »

マウント職人への道

 たかがマウント。されどマウント。台紙に挟めばとりあえず立体に見える。しかし、二つの画面の位置関係とか、構図の調整で見栄えがまったく変わってしまう。僕が初めてマウントしたものをあらためてみて見ると、ステレオウインドウがめちゃくちゃだったりする。でも、初めのころはそんなの気にならなかった。立体に見えることのインパクトのほうが大きくて、少々の欠陥は見逃しちゃうのだ。
 だけどしばらく自分でやっていると、マウントのときの画面調整で表現自体も変わってくることに気がつく。これは一つの作品作りの一工程であって、他人任せじゃだめなんだ。機械でオートマチックにやったんじゃだめ。だからコダックがマウントサービスをやっていた頃も、値段も理由にあるけど依頼したことはなかった。
 マウント作業で一番厄介なのが、ごく近い距離にある被写体を撮影した場合だ。ステレオウインドウがうまく作れなくなる。解決する方法は、マウントの窓の幅を小さくする。昔は、ハーフサイズ用のマウント台紙を使って解決していた。今はマウントが自作できるからどんなものも作ることができる。
 マウント作成の自由度は広がったけど、作業は面倒な部分も出てきた。より使いやすいマウント、作業がしやすく疲れないマウント、まだまだ改良しなければならない。これが完成形だと思っていても、しばらく使っていると改善しなければならない部分が見えてくる。ヒートシールの紙とか、新しい素材が手に入っても新しいアイデアが生まれるだろう。
 そんなわけで、マウント作業の職人を目指していたつもりが、マウント自体を改良するに至ってしまった。いったい、どこまで突き詰めれば良いのだろう。片方の眉を剃って山篭りでもすれば答えが見つかるのかもしれない。

B09.jpg
△ebeyで手に入れたスチール製マウント
(使い方が今ひとつ不明)

●● これからもさまざまな話題で登場いたします。どうぞヨロシク。 ●●

投稿者 sekiguchi : 2009年09月11日 23:30


URL: http://here.there.jp/mt-tb_there.cgi/2961