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旅カメラ
知らない土地を撮り歩く、たとえば海外旅行なんかに持ってゆくカメラは何がいいだろう。荷物をなるべく減らし、フットワークを軽くすると見知らぬ街のいろいろなところが見えてくる。そんな発見を撮りためるためにカメラはなるべく携帯に便利な方がいい。最近は薄型のデジカメが人気だろう。電池とメモリーさえ確保しておけば良いし、なんといっても空港のX線検査を心配しなくていいのはフィルムには望めない大きなメリットだ。しかしステレオで撮りたいとなると難しい。ステレオ専用のデジカメはまだ世に出現していない。2台をブラケットでつないだ装置を使うにしても携帯性が良いとは言い難い。
僕は、東欧旅行のお供にリアリストを選んだことがステレオの始まりだった。重量は少々あるが、レンズカバーを閉じればバッグの中に放り込んでおけるし、各部のデザインがフラットだから意外にも収まりがいい。カメラ操作はスローペースになるけど、散策しながら撮影するにはこれがちょうどいい。街の人々に声をかけて撮らせてもらったりもした。なぜか断られることもなく、みな良い表情だった。たぶん二つの目玉が愛らしい(?)カメラだからじゃないか、と勝手に思っている。クラシックカメラだから撮られる緊張がないというのもあるかな。朝から歩いて昼頃までに1本撮り終えると、古い街並みに古いカメラが馴染んでいる気がした。
旅行から帰ると膨大なマウント作業が待っていたのだけれど、マウントしながら街の空気のにおいが甦ってきた。作業もゆっくりゆっくり、観賞を兼ねてやるとこれもなかなか楽しい。旅行にカメラはつきものだが、うっかりすると撮るのに夢中で何も見ていなかったということになりかねない。そういう理由で、旅行でカメラを持たない人もいるらしい。でもリアリストの面白いところは、撮っている時の記憶を鮮明に甦らせてくれる。自分の見たままの景色が記録されるのだからね。というわけで、リアリストは旅行にお勧めの1台です。
▼ビュアーで見る迫力が再現できませんけど。平行法でどうぞ。
投稿者 sekiguchi : 2008年06月01日 12:53
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