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デュプレックス・スーパー120のひみつ
横長スタイルばかりのステレオカメラの中で、ちょっと変わったかたちのイタリアカメラ。というのもブローニーフィルムを使うのだ。6センチ幅のフィルムに、なかよくリアリストサイズの画面が並ぶように撮れる。ただし、リアリストのステレオベースの半分ほどしかないので立体感がやや乏しい。反面、近距離の被写体に対してはマウント時にステレオウインドウが作りやすい。レンズは35mm/F3.5で、描写はふわっとした感じ。コントラストはやや低い。リアリストの硬調な描写とは対照的だ。
このカメラはマーケットになかなか出ないし、ちょっと高価な部類になる。僕のはフィルム圧板が取れかけていたり、レンズキャップも紛失していて割安で手に入れることができたもの。ファインダーも分解掃除して、機構のメンテナンスもしてみた。
レンズキャップは家具の滑り止めに貼るゴムシートを使って自作した。二種類の円形パッドを組合わせ、ナイロンコードで繋いだ。一見自作には見えない仕上がりにとても満足。ストラップ金具が特殊だが、これも自作のストラップを付けてみた。他のどんなカメラにも無い独自のスタイル。持っているだけで楽しくなるデザインだ。
気を付けなきゃならないのは、フィルムの巻き上げだ。ノブを回してもロックがかからない。ブローニー(120)の裏紙の番号を裏板の小さな窓に合うように回すのだが、慌てているとうっかり巻きすぎたりしてしまう。
このカメラは独特のスタイルで威圧感もないし、描写からしてもポートレートに使うのに適しているんじゃないかな。ただ、シンクロ接点があるのにシューがないから、ブラケット式のストロボを使わなきゃならない。そんなことをしたら、せっかくのコンパクト性が台無しです。上下を逆さまにして、三脚ネジ穴にアダプター・シューを付け、小さなストロボを付けてはどうだろう。おでこホールド&左手親指シャッター押しの、気軽なスナップ・ステレオカメラとして使えそうである。
投稿者 sekiguchi : 2008年04月05日 11:25
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