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ベルプラスカのひみつ
旧東ドイツ製で、ツアイス・テッサーレンズがついたヨーロピアンフォーマット・カメラ。ツアイスレンズがついているということで人気がある。リアリストf2.8とよく似た描写なんだけど、ほんの少しだけやわらかい表現をするような気もする。
さて、せっかくのツアイスだけど残念なのはボディへのレンズ取り付けが悪く、性能を発揮できていない場合がある。僕のがそうだった。左右のレンズでピントが違うのだ。ステレオ視したのでは見逃しやすいが、片方ずつをルーペでチェックすると片方の像がぼんやりしていて愕然とした。リアリストはフィルムレールの位置を調整してこのような不具合を直すことができるけど、ベルプラスカには調整するところがない。思い切って分解してみると、筐体とレンズボードをつなぐネジのところに薄いワッシャーが入っていた。なんだろ?と思って取り出すと、薄い紙片で作ったワッシャーを重ねている。どうやら、これで位置調整をしているらしい。それにしてもこのワッシャーの作り方がお粗末で、オリジナルとは考えにくい。もしかしたら、ドイツのおっちゃんが自家修理でこっそりやったものかも。だって紙だもんなぁ。
とにかく、調整するにはここしかないので僕も紙でワッシャーを作ることにした。柔らかい紙では不安があるので、トレーシングペーパーのような硬くて薄い紙を使ってみた。シャッターをバルブで開放し、三脚に乗せ、フィルム面にすりガラスを置いて像を観察しながらワッシャー枚数で調整する。ワッシャーを重ねたり、抜いたり。こんな方法で製造時も調整していたのかと思うと「それはないだろう」という気がする。それでもなんとかこの方法で調整を完了することができた。このカメラは目測式だが、僕は目測が嫌いだからシューに単体距離計を乗せている。調整のついでに距離リングの位置も調整し、マッチングを図った。近距離での撮影もバッチリ隅々まで焦点が合う。苦労したよ。
投稿者 sekiguchi : 2008年03月08日 10:10
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