STEREO CLUB TOKYO

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FED・BOYのひみつ?

 ステレオリアリストのひみつを探ってきたけど、他のステレオカメラもいくつか紹介しておこう。これはFEDステレオと同じ系列のウクライナ製カメラ。ヨーロピアンでオートマチック撮影という他にはない機能を持っている。
 フィルム感度を合わせ、右レンズの脇にあるレバーをAにセットすれば、露出を自動コントロールしてくれる。被写体が暗すぎる場合はシャッターロックする安全機構もある。レバーを絞り値にセットすると、シャッターが1/60に固定される。マニュアル撮影というよりはフラッシュ撮影のためだ。
 レンズはインダスタール38mmf2.8で、なかなかよく写る。ただ、僕のはレンズの取り付けが悪いのか、片画面で隅の方にちょっとしたピンぼけが目立つことがある。ステレオ視の時にピンぼけは目立たなくなるから、この辺は許してやろう。
 この国のカメラはユニークだ。でも、故障も起きやすい。あるとき、修理依頼で業者に電話をすると「あ~。ロシアですか。ロシアには手を出すなって親方にきつく言われてるんですよ」と丁重に断られた。正確にはウクライナはロシアではないのですがね。それはともかく、我が国のカメラとは部品精度の基準が異なり、分解すると元通り組めなくなるらしい。このカメラは巻き上げ機構にトラブルが多く、ひどい場合はフィルムが切れる。思い切って自分で分解してみてびっくり。2枚のギアを重ねて勘合している部分の加工が悪く、部品が滑っていた。部品の手直しは簡単だったが、組立にはやっぱり苦労した。
 露出制御は針式のメーターが内部にあり、針をシャッター機構が挟み、その位置で絞りの開口を決めるというメカトロニクス(笑)な制御がされている。驚くことにこの電子回路にはスイッチが無い。電池を入れておくだけで常に電流が流れているという常時戦闘態勢モードの設計になっている(笑)。使わないときは面倒でも電池を抜いておこう。

FED_BOY.JPG

投稿者 sekiguchi : 2008年03月01日 01:08


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