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シャッターのチューニング(後編)
ガバナーを注意深く組み立てた後、ボディに組み入れる。ガバナーの取り付け位置、角度によってシャッター速度が変わってしまう。ここで注意するのは、低速側(1~1/10s)から高速側(1/25s~)の制御に移るときのカムとレバーの接点①がスムーズになるようにガバナーを調整して固定する。
まず行うのは1/200sもしくは1/150sの最高速の設定で正しく開閉されているかを確認する。1/200sならば測定により5ミリセカンドが出ているかを確かめる。これが出ていない場合、カムの山②が低すぎるかシャッタースプリング③が弱くなっている。スプリングは固定ネジ④を緩め、引き気味にして固定しなおせば強化できる。スプリングがへたっている場合は、同じようなスプリングを入手して交換する。カムの山を高くするには叩いて伸ばす方法もあるが、ハンダなどのロウ材を盛り付ける方法がある。ガストーチを使って盛り付け、ヤスリで丹念に成形することで修正ができる。
次に1/50sから段階的に測定し、早すぎるときはカムの山をヤスリで低くする。全ての設定を正確に追い込むには、カムの山全てにロウ材を盛り付け、測定しながら研削した方がやりやすい。1/25sまでの調整が終わったら、次は低速側の調整を行う。
設定を1sにし、調整はガバナー内のテンプの当たり具合を調整する座金⑤の位置で行う。遅すぎるときは座金を上に、早すぎるときは下に調整する。この調整は非常に微妙なものであるから、繰り返し作業が必要だ。1sの調整が終了したら1/2s、1/5sと順番に行うが、この調整もカムの山を研削することで行う。高速側の調整と同じ要領である。
全ての調整を終えたらもう一度測定を行い、特に同一設定内でのばらつきに注意する。ばらつきが大きい場合はガバナーの組立に問題がある。
投稿者 sekiguchi : 2007年02月25日 17:11
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