STEREO CLUB TOKYO

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絞りリング固着への対処

 絞りリングの固着は、摺動部の油の劣化によって起こる。状態によっては非常に回転が固いものもある。簡便な方法としては、摺動部①にベンジンなどの揮発系溶剤を少量染み込ませ、固着物を軟らかくする対処がある。しかし、気をつけねばならないのは、過度の溶剤がレンズ機構に浸透してはならない。万が一、レンズ内面に溶剤や油剤が浸透し、絞り羽に染み込むことになったら一大事である。レンズアッセンブリの分解までしなくてはならない。リアリストのレンズは小さく、分解・組立には熟練を要すし、測定器なしに組立は不可能である。特にステレオの場合、片方のレンズ特性が大幅に変わることは致命的である。レンズ内面の分解清掃を要する場合は信頼できる専門業者に委託すべきである。
 さて、このような危険な方法を取らずに清掃する場合、絞りリングのみ取り外せばよいのである。レンズボードからレンズを取り外す必要はない。レンズカバーユニット②を外したら、左右のレンズをつなぐ金属リボンを外す。次に、ネジ③を外すことで絞りリングの固定が外れるのだが、ワイヤばね④が入っているのでそのままでは抜けない。少し強めに引くとリングが外れる。その後は摺動面の清掃を行い、ごく軽くグリスアップして組み立てればよい。組立時にはリングばねの挿入にやや手間がかかるかもしれない。この作業は1041、1042モデルについて紹介しているが、1050モデル(CUSTOM)については少し注意しなければならない。上記の手順に加えて、絞りリングにあるつまみ⑤が固定ネジを兼用しているのでこれも外す必要がある。
組立には特に注意する点がある。外した時と組み立てる時の絞りの位置を同じにし、ネジ③を締めること。間違えると規定以上に絞られ、羽の破損、レンズ面への羽の接触という故障を引き起こす。どのメンテナンスでも、分解よりも組立時に神経を使うことになる。
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投稿者 sekiguchi : 2007年02月25日 17:06


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