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左右の絞りの整合
左右の画面で露出が異なる現象は、撮影者の意図を正確に反映していないばかりでなく、ステレオ写真としても問題である。観賞時に左右の目が補完しあうので目立たないとはいえ、長時間の観賞では疲労を生じる原因になる。露出差の原因としては、左右のシャッターに差が生じているか、レンズの絞りがずれているためである。シャッターに問題がある場合は、レンズボードを取り外して左右のシャッター羽を連結しているバーを操作し、状況を確認すればよいが、ここに問題があるケースは少ないだろう。
左右の絞りが合っていない場合、左右のレンズ取り付けのバランスが狂っていることが原因である。これを修正するにはレンズをレンズボードから取り外すのと同じ作業をしなければならない。作業の始めに、ボディからレンズボードを取り外す。
さて、レンズボードの裏面に固定リング①があるのでこれをカニ目レンチで回す。ボード正面の右レンズ側に位置決めピン②があるが、これが左右の絞りのバランスを決めている。今回の調整ではリングを緩めるだけでよい。まず左レンズが開放になる位置で固定し、右側レンズが絞り開放になる位置で位置決めピンを固定する。次に、右側レンズを固定するのだが、このときに位置決めピンがずれやすい。力加減が難しい作業になる。左右のどちらを回しても絞りが同じように連動し、遊びがないように調整する。ここでは絞り開放を基準として調整したが、厳密には絞り込んだときに左右のバランスが若干ずれることがある。程度としては1/3絞り以内だろうが、ラチチュードの狭いリバーサルではこれが露出差として現れる。正確を期するなら、撮影結果を見て調整し、再び撮影して確認するという手のかかる作業をしなければならない。
普通はレンズボードからレンズを外さなければならない状態になっている機体は少ない。いたずらに既に調整されているレンズセットをボードから外すと大変な調整が待っている、という意味でもあり、むやみな分解は慎むべきである。
投稿者 sekiguchi : 2007年02月25日 17:02
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