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巻き戻しの助っ人参上
ステレオカメラ達が作られた年代のカメラは巻き戻しがノブ式になっているものが多い。コダックステレオなどが数少ないクランク式だが、リアリストは例に漏れずノブ式だ。ノブでの巻き戻し、これがけっこう指が痛くなる。ノブが小さいからだが、リアリストも後期型になるとノブを大きくして巻き戻しが楽になるよう配慮されている。それでもクランク式に比べると操作性が悪い。
そうなると、何とか改善しようと考える人は少なくないもので、巻き戻しノブに後付けでクランクをネジ付けしたり、ハンドルを接着するものが出てくる。でも、こうするとリアリストのフラットデザインが崩れてしまい、邪魔になったりカッコ悪くなったりする。この手の改造は一歩間違うと逆戻りできない後悔を味わうことになる。
じゃあ、脱着式のアダプターにすれば?というわけで、過去にもKenTecブランドの脱着式アダプターが売られていた。これはノブのギザギザに合わせてかぶせるハンドル方式だ。金属製で丈夫そうだし、とても使いやすそうに見える。見える、というのは写真でしか見たことが無く、実際に使ったことがないから。欲しくてもマーケットに出ることはほとんどない、幻に近いオールドアイテムだ。
ライカでも脱着式の巻き戻しクランクが後から作られたように、リアリストも多くのファンがいるから最近になって新しい巻き戻しアダプターが発売されている。これは樹脂を削って作られていて、大きなディスクに金属製のつまみが付けられている。ノブにかぶせて使うのだが、感心するのは取外しやすいようにセンターに押しノブが付けられている。使い勝手も良く、これがあればオールドアイテムは要らない。海外通販になるが、買って損はないアイテムである。
投稿者 sekiguchi : 2005年02月26日 23:20
レンズカバーの修理
以前に、レンズカバーが取れるとださくなっちゃう話をしたが、ちょっとした拍子に取れちゃうことがある。落としてカバーが割れてしまったものはどうしようもないが、壊れていなければ元のとおりに戻してあげたい。さて、どうやって取り付けるのか?という話。
レンズカバー本体と、カメラ側のベースを止めているのは二つの板バネだ。くるりとカールして、横から見ると「C」字型をしている。これがベークライトの溝にはまって、カバーの開閉を支えている。バネはヒンジとも呼ばれる。このバネがちょっと弱くなっていると外れやすいのだが、一度外れてしまうとどうやっても外からでは取り付けられない。直すにはまずカバーを開けて現れる4本のビスを外し、ベークライトの台座をユニットごと取り外す。外したら、カバーをそっと閉じ、台座と合わせる。その時、台座部分にはベークライトが細くなっている部分がある。ここは割れやすいので壊さないように細心の注意を払ってほしい。さて、外れたバネは裏側から押し入れると、パチン☆とはまるはずだ。おっと、その前に。弱くなっているバネは、事前にペンチでごく少し「C」字を上下につぶして強化しておく。つぶしすぎるとバネが入らなかったり、ベークライトに負担がかかりすぎるので注意。何よりもベークライトの溝を壊さないように。入ったバネを無理に外そうとするときにも欠けやすい。欠けたら一大事だ。
欠けたり割れたりした場合、奥の手だが接着の方法もある。瞬間接着剤(シアノアクリレート系)はベークライトと相性がいい。状況によるが、運がよければ直る。もしバネが壊れたり、なくしたら・・・これもあきらめるのは早い。海外の特定のショップで手に入れることもできるが、僕は新しく作ったことがある。携帯電話のストラップにクリップつきのがあるが、クリップの板バネをヤスリで削り、ペンチで成型してオリジナルと同じものを作ったのだ。チャレンジする人へ。・・・健闘を祈る
投稿者 sekiguchi : 2005年02月19日 21:51
でべそアダプター
ホットシューには”でべそ”がついているので、今の時代のストロボはそのままでは使えない。かと言って昔のフラッシュガンを常用で使うのはちょっと無理がある。なんとかして便利なストロボを取付けたいものだ。”そう思うひと濃度”は日本よりアメリカの方が高い。
アメリカのステレオファン人口は日本の比ではない。さすが本家本元。元祖の国だ。要求する人口が多ければ、それだけ需要がある。なんと、アメリカではリアリスト用のホットシュー・アダプターの新品が売られているのである。早速取り寄せてみると、初めから専用に作られているのではなく、市販のシューアダプターに”でべそ”よけの彫り込みをしただけのシロモノだった。カメラの接点をシンクロソケットに変換するもので、ストロボとはシンクロコードでつなぐ。使ってみると、これがなんと非常に優秀で、今までの悩みが万事解決という優れた商品だった。今でもリアリスト用に色々なパーツを考案し、新しく売り出している業者があるけど、これを考えた人にはリアリスト同盟勲章を授けたい。
ストロボを取付けるのに別の方法はないかな?と考えてみると、ブラケットを使う方法もある。ホームセンターでL字型のアングルを買って工作するも良し、写真店で適当なブラケットを購入しても良し。ただ、シンクロ接点はカメラのホットシューしかないからやっぱりアダプターは要る。このアダプターの他にも工夫次第で使いやすいものができるはずだ。そう、世の中にはツワモノがいるもので、トップカバーに穴をあけ、シンクロソケットを取り付けてしまう者までいる。さすがに、ここまでするかなぁ、とも思うけど。
投稿者 sekiguchi : 2005年02月12日 01:42
人工太陽装置を取り付けよ!
リアリストの時代、ストロボは既に実用化になっていたのだけど、まだまだ閃光電球を使うフラッシュガンが一般的だった。閃光電球というのは、電球状のケースの中にマグネシウムフィラメントが入っていて、これに電流を流して燃焼させ、発光するしくみになっている。大きさの割には大光量が得られ、そのパワーはストロボを凌ぐ。リアリストには専用のフラッシュガンが二種類用意されていて、そのうちの片方は中古マーケットにもよく登場するST52だ。何といっても、大きな金属製リフレクターが目立っている。もう少し時代が後になると折り畳み式のリフレクターが一般的になるのだけど、リアリストブランドのフラッシュガンは畳めない。まるで大きなお椀が付いているみたいに見える。ホントに飯が食えそうなお椀である。
フラッシュガンは大電流を流すために大容量のコンデンサーを一緒に使うこともあるが、ST52は単三乾電池を三本だけ使って発光させるようになっている。当然、リアリスト用に作られているから、ホットシューには”でべそ”を気にせず取付けることができる。これを取付けるとホントにまあ・・・大仰だなぁ。
閃光電球は以前はどこの写真店でも買えたけど、今では見かけることもほとんどない。もう作っていないのかな。つい最近まで作っていたようなんだけど。このフラッシュを取付けて”ボン”とやったらすごいだろうな。でも、閃光電球は一回ごとに交換する使い捨てだから、これで撮影するのはとてもとても金がかかる。昔はそういう時代だったのだ。僕は昔のGEブランドの電球を幾つか持っているけど、もったいなくてまだ使ったことがない。
投稿者 sekiguchi : 2005年02月05日 00:01