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シャッタースピードのひみつを探る
リアリストフォーマットはカメラやマウントなどの入手性が良いので立体写真にエントリーするには便利なシステムだ。しかし、問題なのは過去に作られたカメラで撮影するしか方法がなく、シャッターの信頼性に多少の不安があることだろう。クラシックを楽しむと割り切ってしまうだけではちょっと寂しい。まだ動くとはいえ相当昔のカメラである。シャッターの精度はどの程度なんだろう?測定器があれば確認できるが、こんなものは秋葉原に行っても売っていない。んじゃ、しょうがないな。工夫してみっか。
シャッターの開口時間を計る方法に限定すれば測定器の回路設計など要らぬ。乾電池とcdsセルをつなぎ、これをパソコンのマイク入力に投入する(でもテキトウにやっているからパソコンが壊れないか心配)。cdsで明るさの変化を電流の変化に変換し、音声信号として取り込むのだ。音声解析ソフトで変化をグラフに表示し、グラフからシャッター開口時間を割り出す。サンプリング周波数が高いからそれなりの測定精度は出るはずだ。
リアリスト数台を計測したところ、最大で半段ほど露出オーバーになる傾向が出た。やはりバネのへたりか。特に最高速側が落ちている。しかし、同じスピード内での繰り返しでは、ばらつきが小さいこともわかった。カメラの基本性能は現代の高性能フィルムにも十分対応できるはずだが、やはり年月によるコンディション低下は免れないのか。中古販売店でシャッターまで正確に調整したものは少ないだろう。繰り返し撮影し、自分のカメラがどの程度露出計と差を出してしまうのか知ることしか対処方法はない。
でも、せっかく測定ができるようになったのだ。何とかならぬか。というわけでガバナーの分解、スプリング交換、カム調整というかなり大掛かりな調整をし、苦労の末、信頼性抜群のリアリストが誕生した。苦労の顛末はいずれご紹介しよう。
投稿者 sekiguchi : 2005年08月27日 18:12
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