STEREO CLUB TOKYO

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カメラの鎧

 リアリストには専用の革製ケースが用意されている。丈夫に作られていて、今でも十分に使えるものが中古マーケットに流通している。このケース、年代によって大きく3種類ほどのバージョンがある。どれも本革製だけれど、最後期近くになるとコードバンのケースが登場する。コードバンというのは一般的には馬の尻の革のことを指す。このケースが他のものに比べると軽くて断然使いやすい。仕上げも革の風合いを活かした上品なものになっている。尻のカワを取られた馬には大変気の毒だ。大事に使わせていただく。
 さて、どのケースもボディを下から包んで三脚座で止める部分と、レンズからトップ部分にかけて包む部分に分割することができる。下側のケースは付けたままでもファインダーが覗けるように窓が付いている。昔の一眼レフにもカバーの一部を外して撮影できる「速写ケース」があったけれど、これと同じしくみ。
 ケースの上下をつなぐのは金属製のホックで、これがとんでもないイタズラをする。上側のケースを閉じたり開けたりする時に、このホックがカメラのトップカバーをこする。困ったことに実にこすりやすい位置にホックがある。リアリストのトップにおかしな擦り跡が付いていることがよくあるが、位置を調べると“ホックのしわざ”ということが判明する。一回や二回ではどうということはないが、50年も使われれば擦り跡も付くか・・・。
 ケース以外では、リアリストのロゴの入った本革製カメラバックもある。凝った作りのバッグで、中古マーケットでたまに売られていることがある。バッグのポケットに思いがけないレアアイテムが入っていたということもあるらしい。まるでドラクエの宝箱だ。形もチョット似ている。誰かが先に宝箱を開けていたらカラなんだけど、まさかミミックだったなんてことはあるまい。まあ、念のためインパスの呪文でもとなえてくれたまえ。

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投稿者 sekiguchi : 2005年04月10日 23:54


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