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1050/Realist MATCHED 35mmF2.8
1042モデルの後継として発売されたモデルで、CUSTOMと呼ばれる。ブルーコーティングのレンズはレアアースレンズと呼ばれ、高い解像度を誇っていたとされる。レアアースとは希土類元素のことで、硝材の光学特性を改善するために添加された。当時はこれに限らずさまざまな添加元素が試されていて、放射性の物質が使われたりもした。現代では環境に配慮して使われない特殊硝材がこの時代に多く登場している。
さて、CUSTOMのレンズ構成は、テッサータイプの前後が逆転した形になっている。困ったことに、解像度は高いが逆光に弱く、場合によっては画面全体が眠い感じになり、せっかくの解像度が発揮できない。フードを活用したいところだが、リアリストの専用フードが取り付けられない(フードについては別の機会にお話しします)。ボケに関しては二線ボケが生じてしまう。
メカ構造は1042とほぼ同じだが、いくつものマイナーチェンジがされている。革張りは山羊革からカンガルー革に、フォーカスダイヤルにはクリックが付き、フィルムカウンターは減算式になっている。トップカバーとレンズボードはニッケルメッキのヘアライン処理だ。巻き上げ、巻き戻しノブが大型化され、絞りリングにはつまみが付き、絞り値はリングの外周に刻まれた。全体的に高級感を高めたデザインだ。レンズカバーはフラットになり、CUSTOMと刻印されたプレートが付いている。
製造台数が少ないことと、レアアースレンズの噂が手伝って、マーケットでは高値で取引されている。しかし、僕としては、実用機としてのコストパフォーマンスの点では辛い評価をせねばならないと思っている。
投稿者 sekiguchi : 2004年12月19日 12:12
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