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絞り指標・三つ星の謎
ステレオカメラだからレンズは当然二つある。レンズの絞りが撮る時に左右で違っていたら大変だ。だから、片方を動かしたらもう片方も同じように動いて欲しい。リアリストではこの連動を金属製のリボンで行っている。リボンと左右の絞りダイヤルは、それぞれ小さなネジでつながれていて、どちらの絞りを動かしてももう片方がついてくる。
さて、ごく初期のものを除き絞り値は右のレンズだけに表示している。絞り値を合わせるためのマーク(指標)は小さな「点」だ。よく見るとレンズ周囲に全部で3つある。残りの2つは何のため?これが謎。このマークは左のレンズにも付いていて、こちらも普通では何の役にも立たない。だけど、ここに後付けでフラッシュの絞り設定リングを付けると3つの点が活躍する。リングには3種類の閃光電球用に距離の数字が並んでいる。レンジファインダーで被写体までの距離を測り、それをリングの数字にセットすると、ちょうど良い絞りが設定されるというわけだ。面倒なガイドナンバーの計算が不要になる。
ここでちょっと考察。このシステムは基本設計で考えられていて、レンズ枠に3つの指標を付けることにした。しかし、ある理由から製造段階で左右のレンズの部品を別にすることができなかった。だから左右どちらのレンズにも指標が3つある。さて、どんな理由か?このレンズ、組み立てる時に右用・左用に決めて作るのではなく、組み立ててから焦点距離を測定し、たくさんの中から数値の合致したペアを選んでいた。だから、もしかすると僕のリアリストは焦点距離35.14mmで、君のは34.86mmかもしれない。組み立ててから指標を付けるのは工程も管理も面倒だから、左右の別なく3つの星を初めから刻印した部品を外注から仕入れていた。だから左右両方に三つ星がある、というのが僕の推理です。
↑この写真を見て、革張りとレンズボードが違う!?と気づいた人は鋭い。僕の改造品です。その話はまた別の機会に。
投稿者 sekiguchi : 2004年11月06日 02:32
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