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3個目の目玉・ビューファインダー
このカメラ、ほんとうに変っている。正面から見るとレンズが3個並んでいるように見える。だけど、真ん中のレンズは構図を決めるためのファインダーになっていて、カメラの裏側、それも下の方にある小さい覗き口とつながっているのだ。対物レンズと覗き口の間には、2枚の鏡が入っている。覗き口とは言ってもちゃんとレンズが入っていて、アイピースになっている。アイピースを覗くと真四角の小さな絵が見える。僕たちが良く知っているコンパクトカメラのファインダーとはだいぶ見え方が違う。なんだか、写る範囲をぎゅっと圧縮してトンネルの向こうを覗く感じだ。対物レンズは、実は度が非常にきつい凹レンズになっていて、かなり広角の画面をマスクで四角く切り取っている。ファインダーとしての倍率は低いので、もう少し大きく見えてもいいのに、と思う。だけど、全体が一度に見えて構図がとりやすいと考えることもできるし・・・。
ところで、ステレオカメラの左右のレンズの間にある空間、これはフィルムに像を結ぶ上では必要のない空間だ。ここにファインダーの機構を埋め込んだことは、スペースの有効利用になっている。おまけに、左右のレンズの中間に位置することで、撮影距離によって生じるファインダーと撮影レンズのずれ、つまりパララックスの影響をなくしている。ファインダーの構図と鑑賞時の画面の構図が極めて近い関係になるようにできているのだ。ステレオカメラのファインダー位置としてこれ以上に最適なものはない。もう一つ感心するのは、ビューファインダーの鏡筒をシャッター機構の作動軸としていること。分解しなければ見えませんけどね。リアリストのビューファインダーには合理化精神がこれでもか、というぐらいに詰め込まれている。すごいね。
投稿者 sekiguchi : 2004年09月11日 00:36
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