home > Stereo New England・ミーティング参加レポートその1
大谷和利
去る11月15日(1998年)にボストン近郊のフレッシュポンドでSNEことStereo New Englandという愛好会のミーティングが開かれ、偶然にも参加することができたので、簡単なレポートをお届けしよう。
SNEは、年4回このようなミーティングを開いており、今回は特にこの直前にボストンのワールドトレードセンター(MacWORLDExpoが開かれる場所と同じ)でHant's Photo & Video Showという写真器材の展示即売会が開かれた際に、ブースを出していたことから関心が高まり、まったくの初心者を含めて150人以上に上る参加者が集まった。会費、参加費共に無料ということで、完全にボランティアベースで運営されている。
かく言う僕も、Hunt'sのショーでミーティングのことを知り、参加したのである。
ミーティングは三部構成で、まず午後1時45分からミニ・トレード・フェアとオークション。ミニ・トレード・フェアはバザー的なステレオ用品の販売会である。と言っても、いくつかの会議机の上に、何人かが扱い商品を並べて販売するというもので、アットホームなものだ。
僕は、例のステレオクラブ特製のリアリストTシャツを着ていったのだが、何人もの人から"Nice!"、"Good"、"Ilike it!"と声をかけられ、「ここで売ったら大人気になるぞ」と言われてしまった(岡野さん、次のミーティングまでに増産してこちらで販売し、クラブ運営費に充てましょう。ホームページでも販売できることだし…)。
オークションは、使っていないステレオ用品や余ったコレクションを会員から募り、それをミーティングで売って会の運営費に充てるというものだ。司会者の進行も軽妙かつスピーディで、あっという間にすべての品物がはけてしまった。リアリストのアウトフィットバッグが数十ドルと破格の値段で引き取られたりして、僕も買っておけば良かったなどと、今になって後悔している。
次に、午後2時45分から、参加者の自慢の一品の紹介コーナー。今回は、古い回転式のステレオビューワーをのみの市でたった35ドルで手に入れたというおじさんが登場して、みんなの羨望の眼差しを受けていた。何でも、売っていた人はまったくこの装置に関する知識がなく、医療器具か何かだと思っていたようだ。このおじさんも、素知らぬふりをして、驚くほど安く手に入れたのだが、ちゃんと完動品で、掘り出し物だったというわけだ。
そして3時15分から、プレゼンテーション。これは、ゲストによる自作(または、主宰者がどこからか借り出してきた有名なステレオ作品)の上演と、参加者による作品の上映にわかれ、今回、前者はマクロステレオの話とマルチステレオプロジェクターによるディメンショナルジャーニーで構成されていた。ディメンショナルジャーニーは、Dr.DaveことDave Kesner氏から借りてきた作品で、洞窟探検から空の冒険までを一連のスライドで描く大河ステレオショー(ちょっと大げさ)である。これは物語性があって、なかなか見応えがあった。
参加者の作品は、何しろ人数が多いので、1人6スライドに限定されていたが、20人以上が作品を披露し、僕も浅草撮影会や春先のボストンで撮影したモノクロイメージなどを見せて手前味噌ながら人気を博した(まさか、こんなイベントがあるとは知らなかったので、作品の大半を日本に置いてきてしまったのが残念だ)。
ちなみにアグファのモノクロスライドフィルムはこちらでも人気で、上映作品の大半はカラーだったが、たいていの人が試しているようだ。最も興味深い作品は、商業映画のプロダクションのスタッフが趣味で撮っているもので、実際に映画館で上映された映画のセットや出演した俳優などをステレオで捉えたものだった。性格女優のシシー・スペイセクのステレオ写真などというものは、滅多にお目にかかれないだろう。
そういうわけで、おそるべきニューイングランド人のステレオへの情熱。僕たちステレオクラブも負けずに頑張りましょう。